TURTLE MOON の Web雑記
流されやすい貴方への手紙:09年1月18日
粛啓
そろそろ大寒ですね。
お風邪などはひかれておりませんか?
もう何年の月日が流れたのでしょうか。
私のほうは、まぁ、ご存じのとおりです。
夕方起きて、昼ご飯。
少し経ったら、晩ご飯。
その後は朝まで、ネット、ネット、ネット。
そんな毎日です。
「派遣村」は、やはり寒いのですか?
毎日ちゃんと、食事はとれているのでしょうか?
本当に、心配しております。
両親が亡くなってからの貴方は、打ち棄てられた飼い犬のように、なんの生きる術も持たず、途方に暮れる日々だったでしょうね。
この世から、母親という存在が失われた人生は、どのような景色なのですか?
今の私にとっては、恐怖というより他はありません。想像することすらためらわれます。
そんな、よるべない人生に陥っても、ひとまず お国の世話になることだけは避け、自分ひとりで もがき苦しんできたのではないですか?
貴方は、そういう人です。
あれから一度でも、就職することはできましたか?
年末のテレビに、己が窮状を訴える貴方の姿が映し出されたとき、誰かひとりくらいは気づいてくれたでしょうか?
行方知れずになった貴方が、いつも のほほんとした空気をまとってた貴方が、獣のような眼をして声を荒げているのですから、驚いた人もいたかもしれませんね。
それとも、もうみんなの記憶から、きれいさっぱり消えてしまっているのでしょうか……。
「人生、一寸先は闇」とは、よくいったもの。
たった二、三度 道を踏み外しただけで、このような人生に陥るのですから。
こんな状態では、例えどんな正論を吐こうとも無意味です。
ところが、衣食住すらままならない人間だからこそ、ある目的を持った人たちが、よく話を聞いてくれるようになったりもするのですが……。
本当、勢いだけで、企業でも政府でも神でも悪魔でも、なんのせいにでもしてやりたいところですよね(笑)。馬鹿野郎!
でも、死の道は選べない。
貴方は、そういう人です。
どうか、生きてください。
生きて生きて生き抜いてください。
夢や希望がなくても、どうか生き残ってください。
本当に、お願いです。
そのために私は、この手紙をしたためたのです。
理由など、ありません。
あえていえば、それが親不孝をした者の報いなのかもしれませんし、個人的な矜恃なのかもしれません。
不安を胸に。
不満をエネルギーに。
清らかな風を受ける喜びを生きる望みに。
これからも、ままならない人生を たゆたう笹舟のように、さらさらと流されてゆきましょう。
今の私の幸せが、貴方にも届くといいな。
過去の自分から、未来の自分へ。
頓首