TURTLE MOON の Web雑記
とんだ とばっちり!特注品の特大お誕生日ケーキで社会の洗礼を受ける 2of2:07年3月9日
前回の続きデス!
あらすじ:私が某お菓子メーカーの新入社員だった、今から十年以上前のお話。中堅ケーキ職人のE蔵さんが、特注品である特大お誕生日ケーキの製造を任されました。その仕上がりを見物にきた私は、大変なものを見てしまいます。出来上がっていたのは、まるで子どものイタズラかというような、センスゼロな物体だったのです……。E蔵さんは、このブッサイクなケーキを、なんとかみられるものにしなければなりません。ビフォーアフターなビューティーコロシアム状態で、ケーキ工場での奮闘が続きます……
■ パイが割れちゃった!
でもまぁ、とりあえずはしょうがない。
仕上げの飾りをのせたら、少しは雰囲気も変わるだろうと、最後に残った祝福メッセージ掲示用のパイをのせる行程に入りました。
「ちょっと、大きすぎたかな……」
そのパイを、E蔵さんがケーキの中央に乗せるのですが、少し大きかったようです。
なので適当なサイズにするため、パイの端をパリパリと切り落としました。
その余った切れ端は、私が試食させてもらうことに。
「パリパリ、モグモグ、凄く、おいしいです……」
焼きたてのパイを堪能した私。ちょっとラッキー♥
めでたくパイは、特大ケーキの中央にのせられました。
そのパイに生クリームで「○○プロ おたんじょうび おめでとう!」の文字をかいたら、このケーキは完成です。
E蔵さんは、手に生クリーム絞り出し器を持って、特大ケーキ中央のパイまで、グイッと腕を伸ばしました。
生クリームの重さと失敗できないという緊張に、E蔵さんの腕が小刻みに震えているのがわかります。
それでも、真っ白な生クリームで、クニュクニュと文字がかかれてゆきました。
「さすがはプロのテクニック!」と心の中で賞賛したのも束の間、
「ボトボトボトッ!」
E蔵さんをあざ笑うかのように、絞り出し器から粘度の低い生クリームが、トロリンと流れ出てきたのです。
真っ青になるE蔵さん。
みると、パイはベトベト。
これぞ「ザ・台無し」です……。
しかたがないので、生クリームでベトベトの部分を、可能な限り切り落とします。
そしてなんとか生き残ったパイに、今度こそ慎重に「○○プロ おたんじょうび おめでとう!」のメッセージがかかれました。
ケーキの大きさとくらべると、バランス的に極めて小さすぎるパイに、これまた妙に小さな文字&字詰め間隔の狭い「○○プロおたんじょうびおめでとう!」のメッセージが(笑)。
っていうか、先にパイに文字をかいてからケーキにのせたら、こんな失敗はなかったんじゃ……。
ただでさえブッサイクだったケーキに、さらにダメ押しを与えてしまい、もはや修正不可能といったムードです……。
■ とばっちりを喰う!
「もはや試合終了か?」
そんな、もうどうしようもないという空気が支配していたそのときです。
そこへ、普段 工場へはめったに顔を出さない、この会社のドンである「会長」が現れたのです!超ヤバいっす!
「……なんですかこれは!?」
会長は、70代とは思えない勢いで、問いつめるように尋ねてきました。
「え〜っと、@×▲◎◆♯■*〜〜〜っっっ」
E蔵さんは、たちまちしどろもどろに……。
その間、ベテラン職人である彼の上司は、なにひとつ口をはさもうとはしません。
まるで通りすがりの見物人のような、作業着を着たカメレオンのような紛らわしさで、周囲の景色と同化しております……。
「いや〜、ちょっとパイが小さいかな〜〜と……」
ようやく口を開いたE蔵さん。
すると会長は、
「どうしてこんなに小さくしたんですかっ!」
大正生まれの会長は、顔つきも声も迫力が違います。
昭和生まれの若造なんて、あまっちょろいあまっちょろい!
するとE蔵さんは、
「いや〜彼が食べてしまって……」
といって、私のほうへ視線を向けました。
「ええ〜〜っっ!これってオレのせい???」
なぜだか、責任の一端は私にあるというようなムードです(涙)。
このときはホント、「会社って、大人って怖い!」と心底思いましたね……。
■ ゲームオーバー……
その後、ケーキ職人たちは居残りで、この特大ケーキのリニューアルに挑みました。
しかし、これ以上材料を消費してしまうと、翌日の通常出荷分用が足りなくなるので、早々とお手上げ状態に。
これでもう「打つ手なし」です。
結局その特大ケーキは、ほとんどそのままの姿で、出荷されてゆきました。
もちろんパイも、小さなままです……。
E蔵さんは、ってもう「さん」付けなんてするかいよ!失敗をオレのせいにしやがって!
……職人としてのセンスのなさを露呈した「英蔵」は、その後「製餡課」に配置換えされてしまいました。
製餡課なら、美的センスなんて必要ないですからね!←オマエって根に持つ性格なんだなw
そしてこの私も、我が社のドンである会長様に、ダメ社員の烙印をペタリコと押されてしまったようです(涙)。
あれから挨拶をしても、華麗にシカトされるようになりましたから。まだ入社して数ヶ月目だというのに……トホホ。←トホホってのも古いなw
私の華々しい社会人デビューは、このような感じで早々とミソが付いてしまいました。
そのせいで、その後にこの記事の詞が生まれてしまうのです……。
それにしても、巨大な化粧箱のフタを取って、子どものイタズラかのような特大お誕生日ケーキがでてきたときの、プロゴルファーさんの反応を見てみたかったような気がしますね(笑)。
きっと、楽しいお誕生日会の空気が、一瞬で凍り付いたのではないかと思われます。
「あんな会社に頼むんじゃなかった!」って……。
いや〜そんなわけで、私自身どうにも止まらなくなって、いやがらせかというようなアホ長さの文章になってしまいました。
読み手のことも考えろって話ですが、どうせ誰も最後まで読んでないですよ!←……
まぁ皆様も、自分の才能をよく見極めて、仕事選びをしてくださいね。
じゃないと、英蔵や私みたいな目にあいますから!←少なくてもオマエにはなんの才能もないけどなw
ホント、誰かタスケテェ〜!!!
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