移動が仇に! 暑さと蒸れで瀕死……「チランジア(ブルボーサ・ブッツィー・トリコロール・ストリクタ・キセログラフィカ・その他)」テキトー栽培記(その4|2016年6月〜7月)
その1(2015年11月〜12月)・その2(2016年1月〜3月)・その3(2016年4月〜5月)に続き、「チランジア(Tillandsia・ティランジア・エアプランツ・エアープランツ)」のテキトー栽培記をお届けする。
2016年6月1日
チランジア栽培9ヶ月目。
そろそろ夏。
我がチランジアたちにも、成長の兆しがみてとれる。
置き場所は、引き続き自室の窓辺。
まずは「ブルボーサ(T. bulbosa)」。
僅かだが伸びている。
こちらはブルボーサの幼い2苗。
同様に、動きがみられる。
「ブッツィー(T. butzii・ブッツジー)」。
やはり伸びている。
「トリコロール・メラノクラテル(T. tricolor var. melanocrater)」。
メラノクラテルという、トリコロール基本種の変種らしい。
動きはみられるが……
さらに葉が、内側に巻き込んでしまった。
まだ水不足なのか。
思い切って この株だけでも、ソーキング(水に浸す)したほうがいいかもしれない。
「ストリクタ(T. stricta)」。
僅かに伸びた気もするが……
こちらも水不足ぎみか。
ここまでの種は、比較的 水を好むため、「緑葉種」として扱っている。
そのため、水苔(正確には這苔)に植え付けてある。
これ以降は「銀葉種」扱いとし、主にバークチップ植えとなる。
「イオナンタ(T. ionantha)」。
多少伸びたようだ。
「カプトメデューサエ(T. caput-medusae・カップトメドゥーサ)」。
これだけ……
わかりやすく伸びている。
「フックシー・グラシリス(T. fuchsii f. gracilis・フクシー)」。
ぼちぼち伸びている。
「キセログラフィカ(T. xerographica)」。
先月購入した新参だ。
まだ家にきて10日目だが、すでに成長がみられる。
現在、水やり(霧吹きによるミスティング)は週3回ほど。
おおむね10日間隔で、活力剤「HB-101」の1,000倍液もミスティング中(キセログラフィカには本日 初投与)。
生育期ではあるが、どの株も成長が遅い。
置き場所を変えるなどして、さらなる成長を促したい。
生育期の「チランジア(Tillandsia・ティランジア・エアプランツ・エアープランツ)」栽培
チランジア栽培9ヶ月目。
開始時より引き続き、自室の窓辺にて室内栽培中。
栽培地は北海道某所(札幌圏)。
この「チランジア」とは、パイナップル科(Bromeliaceae。ブロメリア科とも)の仲間で、チランジア属の常緑植物を指す。
栽培に用土を必要とせず、葉から空気中の水分や微量要素を吸収することから、「エアプランツ(Airplants・エアープランツ)」とも呼称される。
現在、以下の8種を栽培中。
ブルボーサ(T. bulbosa):チランジアの定番的人気種。軸状の葉を うねらせながら横へと伸ばす。このような基部が球根(bulb・バルブ)状に膨らんだ種は、まとめて「壷型」と呼ばれる。本来は銀葉種らしいが、とても水を好むため、緑葉種として扱われる。2015年10月(園芸会社は たゆみま)・2015年11月(小サイズ2苗。from ダイソー)栽培開始。
ブッツィー(T. butzii・ブッツジー):まだら模様が特徴的な種。とても水を好み、標高1,000m以上に生息するため高温を嫌う。緑葉種の扱い。2015年10月(from たゆみま)栽培開始。
トリコロール・メラノクラテル(T. tricolor var. melanocrater):硬めの葉が長く伸びる種。花や花苞が3色のトリコロールカラーに色づく。メラノクラテルはトリコロール基本種の変種らしく、国内で多く流通するのはこちら。やや日当たりを好むが水も好み緑葉種の扱い。2015年10月(from ダイソー)栽培開始。
ストリクタ(T. stricta):丈夫で成長が早い入門種。雑草のような姿形だが、花が奇麗でクランプ(複数の子株を吹き群生した状態)させやすい。本来は銀葉種だが水を好み緑葉種の扱い。2015年10月(from ダイソー)栽培開始。
イオナンタ(T. ionantha):チランジアを代表する小型種。多くの変種・品種が存在し、コレクター人気が高い。スミレ色など赤系の美しい花を咲かせる。種にもよるが概ね銀葉種の扱い。2015年10月(from ダイソー)栽培開始。
カプトメデューサエ(T. caput-medusae・カップトメドゥーサ):壺型の人気種。ギリシア神話「メデューサ」の髪を思わせる、うねった葉が特徴。比較的丈夫で成長も早い。一応 銀葉種として扱うが緑葉種とされる場合も。2015年10月(from ダイソー)栽培開始。
フックシー・グラシリス(T. fuchsii f. gracilis・フクシー):ウニの棘のような繊細な葉が特徴の種。成長は遅めだが、葉が蒸れにくく育てやすい。基本変種は「フックシー・フックシー(T. fuchsii var. fuchsii)」だが、よく店頭で目にするのは このグラシリス。銀葉種。2015年10月(from 南紀グリーンハウス)栽培開始。
キセログラフィカ(T. xerographica):「チランジアの王様」と呼ばれる大型種。包み込むように、カールして伸びる葉が特徴的。チランジアのなかでも比較的丈夫で育てやすい。銀葉種。2016年5月(from 近所の小さな園芸店 ※園芸会社不明)栽培開始。
ちなみに「緑葉種」は、葉に「トリコーム(鱗片。2種類の吸水細胞で構成される白い毛)」が少ないため、色が濃い緑にみえる種。通風のある半日陰の環境と水を好む種が多い。成長は比較的早め。
「銀葉種」は白銀色で、緑葉種よりもトリコームが多いぶん、乾燥に耐える。だが過湿は苦手。概ね成長は遅い。
この緑葉種・銀葉種の区別に、明確な定義はなさそうだ。
だが、それぞれ栽培方法が異なるので、できるだけ把握はしておきたい。
我が家では、緑葉種は水保ちがいい水苔植え、緑葉種はバークチップに固定している。
水苔には、ダイソーの「ガーデニング用 天然こけ」を使用。
正確にいうと「這苔(ハイゴケ)」らしいが。
ミスティング:簡単にいうと「霧吹き」。日常的には、このミスティングで水やりすることになる。
ソーキング:常温の水に何時間か浸す水やり方法。特に乾いた株に実施する。浸水時間は12時間を上限とし、通常は6時間以内に止める(ソーキング中は呼吸ができず、乾燥時間も考慮して)。
チランジアは「CAM植物(夜に気孔を開きCO2を取り込む、水不足の環境に適応した植物)」のため、夕方から夜にかけてが、ミスティングやソーキングの実施時間となる。
寒い真冬は、暖かい昼間の水やりが無難。
この辺の基本情報は、毎回掲載予定(微妙に推敲しています)。
そろそろ夏。
6月の北海道なら、生育期といっていいだろう。
だが、急伸する様子はない。
これがチランジアのペースなのだろう。
それとも、もっと日に当てればいいのだろうか。
日当たり悪い環境なので。
ただでさえ室内栽培なのに。
なので置き場所を変える予定。
乞うご期待。
期待するのは誰か。
まぁいい。
そもそも期待なんて、しないほうがいい。
どうせ裏切られる。
期待なんて、したくもないしされたくもない。
我が人生に、いったいなにがあったのか……。
7月1日
ひと月後。
夏の陽気。
そんななか全体的に……
それなりの成長がみられる。
水やりは、ほぼ1日置きペース。
さらなる成長を促すべく、午前中だけ、外で直射日光に当ててみた。
これを機に置き場所を、玄関フード内へと移動。
午前中のみ強い日が差す、時間的半日陰の環境だ。
屋外に近い環境になり、今後の成長が期待される。
7月7日
6日後。
玄関フード内に置き、もうすぐ1週間。
ブルボーサを中心に、よく育っている。
色合いも変わってきた。
ただ、葉の一部が枯れてしまった。
幼苗も傷んでみえる。
玄関フード内の環境が、ハードすぎるのかもしれない。
閉鎖的スペースに日が差すため、急激に温度が上がるし。
朝から扉を少し開けるが、それ以前の早朝のうちに、かなり熱が籠もってしまうし。
日中も、ときおり閉め切られていたりもするし。
ひとまず様子見。
7月10日
3日後。
ブルボーサと……
その幼苗と……
ブッツィーと……
トリコロールと……
ストリクタが、酷く傷んでしまった。
どうやら玄関フード内は、特に緑葉種扱いのチランジアには、環境が合わなかったようだ。
確かに日当たりはよくなった。
だが閉鎖的スペースのため、高温・激しい温度変化・蒸れなどの問題も生じてまった。
すでに自室に退避済みだが、遅かったかもしれない。
最近 気忙しく、観察を怠っていた結果だ。
7月21日
11日後。
ブルボーサは……
なんとか落ち着いている。
元気はないが、枯れは進んでないようだ。
一部が枯れてしまったが、これで済むなら御の字か。
だが幼苗は……
深刻なダメージを負ってしまった。
2苗とも……
枯死寸前の状態。
ここまで傷んだら、回復困難ではないか。
ブッツィーは……
葉色が赤く変色した。
株元の傷みも心配だ。
トリコロールは……
長い葉が根元側から……
枯れてきている。
中心の若い葉は、なんとか持ちこたえているようだ。
ストリクタも……
根元付近が枯れてしまった。
ぱっとみ葉は元気だが、ここから復活可能だろうか。
イオナンタは……
元気そう。
そこそこ育ったようだ。
銀葉種は、環境耐性が高いのだろう。
「支持根」も伸びてきた。
カプトメデューサエは……
葉が垂れ下がってきた。
それでも、枯れてはいないようだ。
少し伸びてもいる。
フックシーは……
元気そう。
徐々に伸びているようだ。
キセログラフィカも……
元気いっぱい。
葉が伸び巨大化しつつある。
徐々に「チランジアの王様」の貫禄が。
心配なのは、傷んだ緑葉種たち。
様子をみつつ、恐る恐るミスティングしている。
「HB-101」も、引き続き10日置きペース。
どうにか復活させたいが、可能なのだろうか。
成長を促すべく、置き場所を移動したのが失敗だった。
育ちが遅いので、つい焦ってしまったようだ。
私はチランジアという植物を、もっと理解しなくてはならない。
緑葉種に大ダメージ
夏らしくなってくる、この6月〜7月。
そんななか、我がチランジアたちに、深刻なトラブルが発生。
7月頭に置き場所を、自室窓辺から玄関フード内へと移動して、大ダメージを与えてしまった。
たった1週間ほどで、まずブルボーサが傷んだ。
その後3日ほど、様子見したのが拙かった。
気づけば、緑葉種扱いの株たちが、枯死しそうなほど弱ってしまった。
慌てて置き場所を、元の自室窓辺に戻したが、遅きに失した。
トリコロールとストリクタは、根元側から枯れてきて、回復困難な状況だ。
ブルボーサの幼苗も、瀕死の重傷を負った。
どうしてこうなった。
玄関フード内は、狭く閉鎖的なスペースだ。
午前中のみ日が差す、時間的半日陰の環境で、それ自体はいい。
だがかわりに、高温・激しい温度変化・蒸れなどの問題も生じてしまった。
狭いため、急激に温度が上がるのだ。
朝から扉を少し開けるが、それ以前の早朝のうちに、かなり熱が籠もってしまう。
日中も、ときおり閉め切られていたりもするし。
後日調べると、簡単に40℃を超えていた。
無風の日は通風がなく、暑さに加えて蒸れも発生。
雨の日だと、湿度80%超えが普通のようだ。
すぐ側に、腰水に浸した食虫植物も置いていたので、常に蒸れやすい環境だったし。
その食虫植物も、同様に枯らしかけたし。
こりゃダメだ。
成長を促すべく、置き場所を移動したのが失敗だった。
直射日光と風を当てたかった。
ずっと室内栽培だったのに。
成長が遅いので、つい焦ってしまったようだ。
とにかく今後は、自室窓辺で回復に努めたい。
穏やかな環境で、弱ったチランジアたちを癒したい。
たとえ成長が遅くとも。
それでは、チランジアのテキトー栽培記は「その5(2017年8月〜9月)」へと続きます。
私はチランジアという植物を、もっと理解しなくてはならない。
というか、園芸全般について、まだまだ理解が足りない。
何年も栽培してるのに。
一度トラブルが発生すると、なかなか挽回できないということを、今回の失敗で再認識した。
反省。
言い訳をいうと、このころ家人の体調が悪く、観察が怠りがちだったのだ。
親戚も入院し、その後 亡くなってしまったし。
なにかと気忙しかったのだ。
余裕がなかったというか。
まぁ言い訳ですな。
でも、しょうがない面もあるよね……。