初栽培の一部始終! 強健なお洒落ハーブ「バジル(バジリコ・メボウキ)」テキトー栽培記(その5|総集編)
北海道某所(札幌圏)からお届けする「バジル(バジリコ・メボウキ)」のテキトー栽培記。
我が初栽培の模様を、その1(6月)・その2(7月)・その3(8月)・その4(9月〜11月)と、のらくらと公開してきました。
今回は、そのまとめとなる「総集編」をお届けします。
2015年6月『ダイソーの種で初挑戦』 ※元記事はこちら
6月1日
100円ショップのダイソーにて、「バジル」の種を購入。
こちらが中身。
2袋で100円なので、実質たった50円。
しかも家庭菜園としては、十分すぎる入数だ。
この種を、60cmプランターに2列に「すじ蒔き」。
好光性種子なので、覆土は1cm以内と浅めに埋めた。
発芽適温は高めで、ポリポットなどで育苗する必要はないらしい。
用土は、市販の元肥入り培養土に、苦土石灰を少量混ぜたもの。
さぁ、初めてのバジル栽培のスタートだ。
6月12日
昨日あたりから、地上発芽を開始。
肌寒い日が続いたせいか、ずいぶんと時間がかかった。
たくさんの小さな芽が、用土を押し分け顔をだす。
少し摘んで囓ったら、スースーする爽やかな香味を感じる。
6月17日
しばらく曇天が続いたが、今日は初夏らしい陽気。
続々発芽し、かなりの密集具合に。
多すぎるので、テキトーに間引く。
少し食べると、クセのある香味を感じる。
まだ慣れないが、ハマると癖になりそうだ。
6月24日
徐々に育っている。
本葉も開き始めた。
なかなか芽吹かなかったが、そのわりに発芽率が高い。
もっと暑くなれば、どんどん育ってゆきそうだ。
この6月は、例年よりも肌寒かったせいか、成長は ゆっくりだった。
2015年7月『涼やかな香りのトマト&バジルパスタ』 ※元記事はこちら
7月1日
種蒔きから丸1ヶ月で、たくさんの苗が育った。
本葉も育ち、ようやくバジルらしい姿形に。
7月7日
不安定な気候だが、そんななか急成長。
美しい葉が、プランター内を覆った。
間引きがてら、本格的に収穫。
軽く洗って、素早くキッチンペーパーで拭う。
バジルの葉は、とても水を吸いやすいらしい。
なのでジャブジャブ洗うと、風味が落ちてしまうそうだ。
とりあえずスライスチーズで巻いてみた。
バジルとチーズは、イタリア料理 定番の組み合わせだろう。
食べると、さほど美味いとは思わないが、やたらとスースーする。
涼やかな香りが口中に広がり、鼻を抜けてゆく。
胃にもスースーが残る感じで、まるで胃腸薬のようだ。
7月10日
やっと真夏らしくなってきた。
やはり暑いと、目にみえて育つ。
本当に、色艶が よく美しい葉だ。
これならば、観賞用にもなりそうだ。
7月17日
好天が続かない。
それでも伸びゆくバジルたち。
また間引きがてら収穫。
今度はパスタに加えてみる。
まずフライパンでトマトを油炒めし、次に茹でたパスタを加え火を通し、最後にバジルを混ぜて さっと炒めたら出来上がり。
バジルは炒めすぎると色が悪くなるので注意。
味付けは、味付き塩コショウと麺つゆ少々。
「トマト&バジルパスタ」の完成。
基本はトマトパスタの味。
バジルの涼やかな香りが、よいスパイスとなっている。
初挑戦にしては、なかなか美味しくできたと思う。
7月26日
ずいぶん背が高くなった。
いまが収穫適期かもしれない。
だが真夏の日射しで、少しだけ葉焼けした。
ちなみに3日ほど前、化成肥料と有機石灰を撒いている。
この7月は、暑くなるとともに、目覚ましい成長をみせ始めた。
2015年8月『植え替え・挿し芽・開花』 ※元記事はこちら
8月2日
丸2ヶ月で、大量に茂った。
背を伸ばし、プランターを埋め尽くしている。
水やりすると、バジルの爽やかな香りが広がる。
花芽らしきものもあるので……
「摘心(てきしん。脇芽が伸びるよう頂芽を摘むこと)」してみた。
これで脇芽が伸び、より多くの葉が生えるのだという。
そして株数を減らすべく、10株ほど抜いた。
こちらは庭の「石の輪のゾーン」。
ここにトマトのコンパニオンプランツとして、抜いた10株を植え付けた。
トマトとバジルの組み合わせは、コンパニオンプランツの定番らしい。
バジルはアブラムシなどの害虫を遠ざけ、しかもよく水を吸うため、過湿を嫌うトマトにとり有益なのだとか(諸説あり)。
8月7日
2日ほど前、液肥を与えておいた。
その甲斐あってか よく育ち、徐々に花芽も伸びている。
摘心した株では、脇芽が育ってきている。
普通なら、もっと早い段階で摘心し、収量を増やしたいところだろう。
試しに摘心がてら、3株の茎を切り取り「挿し穂」とする。
これを「石の輪のゾーン」へ「茎挿し(挿し木・挿し芽)」で植える。
バジルはこれで、簡単に殖やせるらしい。
すでに持て余し気味だが、実験として試みたい。
8月12日
よく育ってはいるが、色が薄くなってきた。
葉焼けしたのだろうか。
どんどん伸びる花芽。
葉の収穫が目的なら、早めに摘むとよい。
摘心した株は、ゆっくりと脇芽が育つ。
「石の輪のゾーン」では、植え替えしてきた10株が、もれなく元気。
だがやはり、植え替えすると成長が遅れる。
いっぽう茎挿しした3株は、すっかり萎れた。
このような場合、普通は多めに水を与えるが、トマトが過湿を嫌うので悩む。
8月14日
すっかり黄緑に。
みると下側の花芽が……
花を咲かせ始めた。
我がバジルに花期到来。
あとプランターにのみ、化成肥料を少量追肥。
8月23日
お盆もすぎ、すっかり過ごしやすくなった。
背は ここまで伸びた。
下から順次 開花中。
一度に咲くなら飾れるのだが。
とりあえず、このまま咲かせて種を実らせたい。
だが多くはいらないので、いくつか摘んだ。
摘心した株は、脇芽が育ち広がってきた。
やはり食べるなら、もっと早いうちに摘心すべきだ。
どの株も、下側の葉は枯れてきている。
「石の輪のゾーン」の、植え替えしてきた10株が元気。
茎挿しした3株も、葉に精気が戻ってきた。
どうやら活着したらしい。
この8月は、巨大化したうえ花も咲く、充実した ひと月だった。
2015年9月〜11月『採種して栽培終了』 ※元記事はこちら
9月1日
栽培4ヶ月目。
収穫が遅れ、プランターは あきらかな過密状態。
3本伸びる花軸(?)が特徴的。
花は下向きで目立たない。
「石の輪のゾーン」に植え替えした10株が、遅れながらも元気に成長中。
さらなる成長を促すべく、全体に液肥を与えた。
9月2日
翌日、萎れてきた下葉を中心に収穫。
それをトマトと一緒に……
軽く炒めて……
「バジル&トマトパスタ」にした。
なかなか美味いが、少しバジルを炒めすぎてしまった。
美しい緑が色落ちし、風味も損なわれた(そのぶん癖が減り食べやすくはなった)。
9月16日
今日は豚焼き肉の仕上げに混ぜた。
火を通すことで、古い葉でも問題なく食べられる。
薬味としてパクチーの「生の実」も混ぜてみた。
両者ほどよい存在感で、爽やかさを演出。
9月20日
今日も加熱調理。
生食だと硬いうえ、嫌な苦味も増えてきた。
攻撃的な清涼感といった感じ。
やはり生食なら、栽培当初の若い葉だ。
9月22日
秋深まる。
そろそろ花期も終盤か。
種が徐々に……
実りつつある。
「石の輪のゾーン」の、植え替えしてきた10株は、まだまだ成長途中。
茎挿しした3株は、活着して元気。
背も伸びてきたが、やはり成長は遅い。
10月3日
栽培5ヶ月目。
種が徐々に……
黒く熟してきた。
花期は そろそろ終わりのようだ。
抜くと根が、みっしり張っているのがわかる。
今後も栽培終了に向け、少しずつ抜いてゆきたい。
「石の輪のゾーン」の植え替えしてきた株が、黒ずんでいた。
もう食べられそうにないので、とりあえず2株を抜く。
茎挿しした3株は、成長が遅れたぶん若い。
だがもう寒いので、どこかで見切りをつけたい。
10月10日
朝方の最低気温が、10℃を下回る日が増えてきた。
8日の台風23号(温帯低気圧)の影響で、一部が折れてしまった。
初雪までには、採種を終えたいところだ。
10月11日
葉の収穫も、そろそろ最後か。
軽く炒めて……
焼き肉の付け合わせに。
園芸シーズンの終了を、しみじみと噛みしめる。
10月23日
残る葉が、いっそう色褪せた。
そろそろ種を収穫したい。
僅かだが、こちらが初収穫の種。
まだ未熟な種も多い。
抜こうとしても、根が張っていて抜けない。
生命力の強さを感じる。
「石の輪のゾーン」は、以前の嵐で すっかり弱った。
なので すべて抜き栽培終了。
ここのバジルは、トマトのコンパニオンプランツとして植えたのだが、観察対象としては蛇足だったかもしれない。
成長が遅れ、葉も種も収穫できなかった。
ただ、茎挿しでも育つことは確認できた。
10月24日
残った若い株から、すべての葉を収穫。
抜こうとすると、やはり根が固く張っている。
引っ張ると、用土まるごと持ち上がる。
これが最後の葉の収穫。
少量なので湯通しし、うち数枚をガシガシ囓り、残りは捨てた。
11月2日
20日後。
栽培6ヶ月目。
初冬を控え、すでにご覧の有様。
一応、種を採ってみよう。
採り難くて手間なので、これだけ。
恐らく来シーズンは、蒔かないだろうし。
11月22日
すでに枯死状態。
すべて抜きたいが、固くて抜けず放置している。
根が張りすぎるのは、終了時の大問題かもしれない。
11月24日
2日後、朝起きると、根雪の勢いで積もっていた。
これで終了。
お疲れ様でした。
我が「バジル(バジリコ・メボウキ)」初栽培まとめ
私にとっては、初のバジル栽培だったが、ほぼ つつがなく終了した。
やたらと生命力が強く、テキトーでも簡単に育て上げられた。
すぐ萎れるので、水やりを欠かせないのは骨だったが。
以下、この初栽培で得た知識。
ダイソーで買った種は、実質50円ほどで、プランター栽培なら持て余す入数だった。
用土は、市販の元肥入り培養土に、少量の苦土石灰を混ぜたもの。
発芽適温は高めで、ポリポットなどで育苗する必要はないらしい。
好光性種子なので、覆土は1cm以内。
本来は多年草だが、国内では取り込まないと越冬できないため、1年草として扱う。
つまり寒さには弱いと。
そこそこ暑いくらいで、急成長をみせ始める。
どんどん育つので、間引き・収穫が追いつかないほどだ。
基本的には日当たりを好む。
だが真夏の直射日光に曝すと、葉焼けするので注意。
プランターであれば、日陰への移動が望ましい。
一般的なハーブとくらべ、頻繁な水やりが必要となる。
過湿にならない程度に、湿らせ気味にしておくとよい。
水やりすると、バジルの爽やかな香りが広がり風流。
元肥に加え、多めの追肥が必要。
ある程度成長したら、先端を摘心する。
すると脇芽が伸びるので、期をみてそれも摘む。
こうすることで、株が横へと広がり、たくさんの葉を収穫できる。
放任だと、背が高くなりすぎ、葉が増えないらしい。
水やりと追肥と摘心が、バジル栽培のコツだ。
葉の収穫が目的なら、花芽も早めに摘むとよい。
生命力が強く、茎挿しでも簡単に増える。
こぼれ種から育った株は、香りが悪くなるらしい。
小さく収穫しにくいので、種は買うほうがいいと思う。
種は昔、目薬代わりに使われていた。
和名「メボウキ(目箒)」の由来は それから。
目にいれると、ゼリー状の物質が出てきて、ゴミを取り去るのだとか。
他にも、この種のグルコマンナンによる膨張を利用し、ダイエット補助食品として用いたらしい。
膨らんだ種で、涙ぐましく腹を満たすと。
トマトとバジルの組み合わせは、コンパニオンプランツの定番らしい。
バジルはアブラムシなどの害虫を遠ざけ、しかもよく水を吸うため、過湿を嫌うトマトにとり有益なのだとか(諸説あり)。
葉は水を吸うので、食用に際しては、あまりジャブジャブ洗わない。
手早く水洗いし、軽くキッチンペーパーで拭うとよい。
生食するなら、栽培当初の若い葉がお薦め。
時間差栽培で、株まるごと収穫しても、下葉から摘んでもいい。
脇芽を繁らせ、大きな葉を もしゃもしゃ食べるのもよい。
加熱調理すると、癖や苦味が減り食べやすい。
すぐ黒ずむので、加熱は さっと短時間。
トマト・チーズ・パスタ・肉料理などと相性がよい。
基本的には、彩りとスパイス程度の役割だ。
それでも慣れると、爽やかな香りが癖になる。
口中から鼻、そして胃の奥へと、涼やかな香りが抜けてゆく。
とにかく、いろいろ利用価値のあるハーブだ。
お洒落なイタリア料理のイメージがあるし。
以上で「バジル(バジリコ・メボウキ)」のテキトー栽培記は終了です。
本当にありがとうございました。
水やりの手間さえ惜しまなければ、簡単に育つハーブです。
興味のある人は、ぜひ育ててみてください。
興味のない人は、無理しなくていいけど。
そりゃそうだ。
少なくとも、少しも興味のない人は、ここまで読んではいないはず。
そりゃそうだ。
なんとも締まらぬ締めくくり……。