後手に回った初栽培!「ヘチマ(糸瓜)」テキトー栽培記(その6|総集編)
北海道某所(札幌圏)からお届けする「ヘチマ(糸瓜)」のテキトー栽培記。
これまで我が初栽培の模様を、その1(5月〜6月)・その2(7月)・その3(8月)・その4(9月)・その5(10月〜11月)と、ヨタヨタ公開して参りました。
今回は、それらを まとめた「総集編」をお届けします。
2015年5月〜6月『ダイソーの種で初挑戦』 ※元記事はこちら
5月1日
100円ショップのダイソーで「へちま」の種を購入。
2袋100円なので、実質たった50円。
こちらが中身の すべて。
一般家庭の栽培では、十分な入数だろう。
発芽促進のため、一応ひと晩水に浸す。
そして、4つの育苗用ポリポットに3つずつ、合計12の種を蒔いた。
覆土は1cmほど。
まだ肌寒いので、当分は玄関フード(風除室)内に置いておく。
発芽適温が高めなので少々不安。
無事発芽しますように。
5月9日
昨日あたりから、地上発芽を開始。
ただ、予想よりも時間がかかった。
やはりまだ寒いのかもしれない。
夜間は玄関フードから、より暖かな玄関内へ退避していたのだが。
さらなる発芽を促すべく、置き場所を空き部屋へと移動。
5月16日
空き部屋は暖かいせいか、続々と発芽中。
双葉にしては、肉厚で巨大だ。
5月25日
多少暖かくなったので、置き場所を玄関フード内に戻した。
やっと本葉が伸びてきた。
だが栽培25日目で、これしか育っていないのは不安。
6月1日
ここ数日、初夏の陽気が続く。
4つのポリポットは、暖かくなって急成長。
6月18日
6月も半ばをすぎ、ようやくここまで育った。
そろそろ定植してもよさそうだ。
大きく育った3苗を選び……
60cmプランターへと植え付け。
左から、大きさ順に並べて植えた。
用土は、市販の元肥入り培養土「M's one 有機培養土 花と野菜の土」。
これにダイソーの「苦土石灰」を、事前に少量混ぜこんである。
余った苗は予備として、テキトーに植え付け。
ラティスフェンス前のプランターには、2苗を定植。
放置ぎみの花壇にも、1苗を定植(後日母に抜かれるため ここで観察終了)。
ここまでの苗は、本日より屋外栽培開始。
植え替え先がないので、残るポリポットの2苗は、引き続き玄関フード内で様子見。
6月26日
60cmプランターの3株が、無事定着したようだ。
軒並み育ち、蔓を伸ばし始めている。
情報によると、より多くの実を育てるために、本葉が4〜6枚になった辺りで「摘心(てきしん。子蔓を増やすために親蔓の先端を切り取る作業)」するといいらしい。
だがこの成長速度では ためらわれる。
初心者なので、この辺りの判断に悩む。
残るポリポットの2苗も、徐々に育ってきた。
しばらくは予備として、このまま玄関フード内に置く。
この6月は、道内の平均降水量が、平年より4割も多かった。日照時間は、2割少なかった。
成長が遅いのは、この気候のせいかもしれない。
2015年7月『やたらと大きな花、開花』 ※元記事はこちら
7月2日
60cmプランターで、3株のヘチマを栽培中。
成長は遅いが、近々ネットを設えたい。
ラティスフェンス前のプランターにも、余った2株を定植してある。
元々育ちが遅いうえ、アサガオとの同居で日当たりが悪い。
なのでこちらは、あまり期待できそうにない。
7月6日
60cmプランターの背後に、ダイソーの「つるまきネット付 支柱(組み立て式・約180cm×約90cm)」を設えた。
続いて、左と中央の株の頂芽を摘心。
右の株は、あえて摘心せず。
ポリポットの2苗は、ラティスフェンス前のプランターに定植。
いつまでもポリポットでは可哀想だ。
だが、2ヶ月以上ポリポット栽培だったので、かなり育ちが悪い。
過密でもあり、今後が不安。
7月10日
60cmプランターでは、無事ネットに絡み始めた。
摘心後、脇芽が伸びてきている。
あと同じ蔓性の「ゴーヤ」同様、たくさんのアリが集ってくる。
独特のアーモンドのような臭いに、引き寄せられるのだろうか。
7月19日
また雨降りが続く。
60cmプランターの左の株では、花芽らしきものが数多く付いた。
右の株も伸びてはいるが、1枚の葉が ご覧の有様。
用土がマグネシウム不足なのかもしれない。
後日対策として、プランターの隅に苦土石灰と化成肥料を撒いた。
7月26日
蒸し暑くなり急成長。
葉が広がり背も伸びた。
摘心していない、右の株の頂芽付近は、特に旺盛な成長ぶり。
7月29日
60cmプランターで……
3株いっせいに開花。
ご覧のように、やたらと大きな花だ。
だが1輪の寿命は短いようで、午前中に咲き夕方には萎れている。
7月も終わりを迎え、やっと花期が到来。
まだ雨も多いが、暑いうちに なんとか育て上げたい。
2015年8月『実らぬまま秋へ』 ※元記事はこちら
8月1日
60cmプランターは、順調に成長中。
花も咲いてはパタパタ落ちる。
最近になり、やっと勢いづいてきた。
こちらはアサガオと同居中の、ラティスフェンス前のプランター。
ここには育苗用ポリポットから、60cmプランターへ定植しきれなかった、4株を植え付けてある。
なので相当な過密栽培。
しかも、あくまでも予備なので、ほぼ放置状態だ。
だが、のんびりと成長中。
数日後さらなる成長を促すべく、両方のプランターに、液体肥料を追肥した。
8月12日
暑いさなか、大量の蔓を絡ませた。
茎も伸び、ついに蔓用ネットを超えた。
どうやら誘引の開始が遅すぎたようだ。
やむを得ず、1本だけ「心止め(摘心と同じ意味だが ここでは成長を止める目的)」しておく。
ラティスフェンス前は、やっとフェンスに絡み始めた。
だがこれが伸びきったころには、もう寒くなっていそうだ。
8月14日
勢いを増す60cmプランター。
すでにネットの上部では、3株が混ざって判別不能(なので摘心ありなしの違いも追えず)。
花も続々咲かせている。
アーモンドのような臭いを増して、さらに多くのアリが集った。
すぐ開きそうな蕾も散見。
いよいよ花期の盛りか。
さらなる成長を促すべく、化成肥料と有機石灰を与えた。
8月17日
これだけ咲いていても、いまだ実らしきものが見当たらない。
8月22日
引き続き葉が繁る。
茎も伸び、もはや誘引しきれない。
なので、もったいないが心止めしている。
蔓の「絡まり欲」には目を見張る。
過去に栽培した、同じ蔓性の「フウセンカズラ」や「ゴーヤ」よりも、執拗に絡まろうとする。
ネットの下側は、葉が少なくてスッカスカ。
誘引作業が遅れた証拠だ。
ラティスフェンス前は、着実に伸びている。
まだ伸びそうだが、花期がこれからなのは不安。
8月24日
60cmプランターで、2輪が重なるようにして咲いた。
もう今シーズンは、この大きな花を楽しむだけだと、割り切るべきかもしれない。
8月26日
引き続き花盛りの、60cmプランター。
そしてついに、実となる雌花を発見。
今月は8月の暑さで、やっと成長が進んできた。
だが、もうすぐ9月。
すでに肌寒い日もあるが、なんとか収穫に漕ぎ着けたい。
2015年9月『秋の盛りに花盛り、ついに結実』 ※元記事はこちら
9月1日
引き続き60cmプランターで、3株のヘチマを栽培中。
実らしきものは、これひとつだけ。
だがやっと……
雌花の花芽が増えてきた。
茎は伸び続けている。
ネットの頂上を越え、とうに誘引しきれないので、やむを得ず心止め。
まだ暖かいうちになんとかして、いまある雌花を育て上げたい。
こちらはアサガオと同居中の、ラティスフェンス前のプランター。
引き続き、60cmプランターへ定植しきれなかった4株を植え付けてある。
ほぼ放置状態で、成長は遅かったが、ここにきて伸びてきた。
なんとか成長を促すべく、両プランターに液肥を与えた。
9月5日
よく日が当たるよう、邪魔な葉を避けていたら……
育っていた実が もげてしまった。
残念だが、残る雌花に期待しよう。
雄花の花芽は、小まめに摘んでいる。
養分を少しでも、雌花に集中させたいので。
9月10日
花が いくつも咲いていた。
秋の盛りに花盛り。
ラティスフェンス前では……
ついに初開花。
しかも雌花だ。
さっそく、60cmプランターから雄花を摘み人工授粉。
よくみると、蘂(しべ)の形が違うのがわかる。
9月12日
60cmプランターは……
日々いくつもの花が咲く。
だが相変わらず、雄花ばかりだ。
このままでは実が付かない。
気休めだが3日後に、化成肥料を追肥。
9月21日
やはり咲くのは多くが雄花。
雌花の蕾はどうしたのだろう。
ラティスフェンス前は、いまごろになり繁ってきた。
花も数輪咲いている。
気づくとフェンスの裏側で、雌花が咲いていた。
また雄花を摘み人工授粉。
そしてなんと! 実が育ってきていた。
10日に人工授粉した花が、見事に結実したようだ。
予備であるラティスフェンス前が、60cmプランターを追い抜いた格好だ。
9月23日
60cmプランターでは、6輪の花が同時に咲いた。
大きな花は迫力がある。
この9月は、遅まきながら花盛りに。
だが10月を前にして、いまだに実が育たない。
雌花が開花しても、すぐに萎えてしまう。
2015年10月〜11月『一応 食べて栽培終了』 ※元記事はこちら
10月2日
昨夜からの嵐で、プランターが倒れていた。
晩秋を迎え、花期は ほぼ終了。
現在は、実の成熟待ち。
だが、やっと育ち始めた実が、嵐のせいで折れてしまった。残念至極。
ラティスフェンス前のプランターには、育ちが悪い株を植えていた。
それなのに、なぜか60cmプランターよりも、実が付きやすいようだ。
だがこちらも、最も育った実が、昨夜からの嵐で落ちてしまった。
左がラティスフェンス前で、右が60cmプランターで落ちた実。
割ると こんな感じ。
未熟で種ごと食べられそうだ。
この大きなほうだけ、一応 食べてみる。
表皮を剥き……
テキトーに刻んだ。
量が少なく物足りないが……
軽く油炒めし……
目玉焼きの付け合わせに。
私にとっては、これがヘチマの初実食だ。
お味は、ウリ科だけに瓜系の風味。
非常に薄味だが、ほのかに甘みと苦味を感じる。
トウガン(冬瓜)に近い気がするが、そもそも そのトウガンも、人生で1度しか食べたことがない。
10月6日
ラティスフェンスに隠れた実を、慎重に引っ張り出した。
雌花の花芽も散見されるが、収穫期まで育ちそうにない。
なので、やむなく摘んだ。
もう寒いので、いまある実を優先したい。
10月10日
数日前の嵐のせいで、60cmプランターは すっかり萎れた。
蕾は残るが、もう しばらく咲いていない。
10月22日
ラティスフェンス前も枯れてきた。
実は残るが、ほとんど成長していない。
そろそろ潮時か。
10月24日
60cmプランターは嵐対策で、倒れぬよう石で傾けてある。
枯れた葉を摘んでいるため、スカスカになってきた。
もうすぐ11月。
60cmプランターもラティスフェンス前も、もはや成長は望めそうにない。
11月2日
もうご覧の有様。
蕾があって気が引けるが……
ネットから切り離した。
そして3株とも抜き栽培終了。
たくさん茂ったわりには、収穫ゼロだったのが悲しい。
ラティスフェンス前も終わりにしたい。
実は一応 収穫。
そして4株すべて抜き……
こちらも終了。
収穫した実は……
割ると こんな感じ。
見た目はいいがブヨブヨで、とても食べる気になれない。
最近は育つどころか、傷んできていたようだ。
けっきょく、ちゃんとした収穫は1本のみ。
ヘチマ水は採れず、タワシにもできなかった。
私の初栽培は、失敗に終わったようだ。
我が「ヘチマ(糸瓜)」初栽培まとめ
ご覧のように、私のヘチマ栽培は、ほぼ失敗といえそうだ。
けっきょく、ちゃんとした収穫は1本のみ。
ヘチマ水とタワシにするまでが目標だったのに。
初栽培のため、勝手がわからなかった。
いろいろ反省すべき点が多い。
以下は、この初栽培時に得た知識。
種は、100円ショップのダイソーで、非常に安価で手に入る。
ポリポットなどで育苗してもよい。
覆土は1cmほど。
発芽適温は高め。
だが売られているなら、苗から始めたほうが簡単だ。
早く育て上げられるので。
栽培初期は多肥にしない。
定植後の用土は、市販の元肥入り培養土。
ウリ科の植物は連作障害を起こすので、用土は極力入れ替える。
60cmプランターなら1株が目安。
私の栽培は、無謀なほどに過密だった。
水やりは、土の表面が乾けば たっぷり。
ただし過湿には注意すること。
本葉4〜6枚のころが、最初の「摘心(てきしん。親蔓の頂芽を切り取る作業)」時期。
摘心することで、その脇から子蔓が伸びて、大きな株に育つという。
ある程度暑いほうが よく育つ。
同じ蔓性のゴーヤやフウセンカズラと比較し、精力旺盛で大きく育つ。
なので誘引するなら早いうちから。
特に「緑のカーテン」を設える場合、根側と頂上のバランスを整えたい。
下葉が変色する場合は、マグネシウム不足が疑われる。
よく育つので、追肥は適宜に。
葉ばかりが繁る場合は、肥料のリン酸分が少ないのかも。
元気になるほど、アーモンドのような臭いが強まる。
そのせいか、アリに集られやすいようだ。
アブラムシなどは集りにくいようだが。
南国の花を思わせる、大ぶりな花を咲かせる。
花は午前中に咲き、夕方には萎れている。
なので雌花が開いたら、雄花を摘んで人工授粉させるとよい。
自家和合性で、同一株での受粉が可能だ。
私の場合、60cmプランターは大半が雄花だったが、なぜなのだろうか。
実を食べるなら、早いうちに収穫する。
生食するなら特に。
だが普通は、加熱調理するものらしい。
どちらにしろ「若い実を種ごと食べる」のが基本。
皮は剥くが。
ウリ科だけに瓜系の風味で、非常に薄味だが、ほのかに甘みと苦味がある。
大きくなりすぎたらタワシに。
私は そこまで育て上げられなかった。
葉は繁ったが、実の収穫には繋がらなかった。
花期のピークが9月だったのは遅すぎた。
実が育つ前に寒くなってしまった。
完全に後手に回った。
以前の「ラッカセイ」と同じパターン。
北海道での屋外栽培は、環境がよくないと難しいのかもしれない。
早生の品種はないのだろうか。
我が家は日当たり悪いし。
そもそもテキトー栽培だし。
環境的に向かないと判断し、再チャレンジは諦めようか。
完全に白旗だ。
ちなみに、とてもよく根が張るぶん、翌年用土を再利用し辛い。
長々記したが、私の知識と失敗を、参考にしてもらえたら幸いである。
以上で「ヘチマ」のテキトー栽培記は終了です。
ここまで ありがとうございました。
ちなみに2015年シーズンは、あまり天候が優れなかった。
6月だと、道内の平均降水量が平年比で4割も多く、日照時間は2割少なかった。
そのせいで成長が遅れたのかも。
なら再チャレンジもありか。
ということで、2016年シーズンも、懲りずにヘチマを育てている。
種が余っていたし。
その様子を、またお伝えできればと思います。
だが7月現在、前シーズンよりも成長が遅れている。
またダメっぽい。
続編の公開がなければ、ああまた失敗かと思ってください。
なんというテキトーさ!