種蒔きから種の収穫まで!「ゴーヤ(苦瓜)」テキトー栽培記(その7|総集編)
北海道某所(札幌圏)からお届けする「ゴーヤ(苦瓜)」のテキトー栽培記。
我が初栽培の模様を、その1(2014年5月)・その2(6月)・その3(7月)・その4(8月)・その5(9月)・その6(10月11月)と、約半年にわたりお届けしてまいりました。
最後となる「その7」は、これらの総集編となります。
2014年5月『育てダイソーの種』 ※元記事はこちら
5月1日
ダイソーで購入した「ゴーヤ」の種。
沖縄の象徴的作物が、寒い北海道の地で育つだろうか。
この1袋に種5つ。
平たくて硬い殻に覆われている。
発芽促進のため、蒔くときは殻を割るといいらしい。
さらに ひと晩、水に浸して発芽促進。
水に浸した5つの種を、5つのポリポットに蒔いた。
まだ肌寒いので、しばらくは室内栽培する予定。
5月10日
9日後、1つのポリポットで無事発芽。
発芽までは保温のため、ポリポットを空きプランターに詰めて蓋をしている。
5月13日
3つのポリポットで発芽。
発芽には、9~12日もかかっている。種蒔きが早すぎたのだろうか。
種のパッケージには“桜の花が咲く頃を目安にタネまきします”とあったので、時期的には問題ないはずだが。
5月16日
順調に成長中。
残る2つのポリポットは、もう芽吹かないようだ。
5月21日
肌寒い日が続くが、室内で着実に成長中。
5月26日
本葉が増える。
蔓も生えてきた。
この苗だけ成長が遅め。
5月30日
急に夏の暑さに。
ちなみに昨日の札幌は、5月としては47年ぶりとなる真夏日だった。
そのため いっきに伸びた。さすが沖縄のシンボル。
蔓も複数伸びている。
よくみると最初の本葉(1,2枚目)のみ、エッジがギザギザしていない。
2014年6月『摘心・定植・開花』 ※元記事はこちら
6月1日
種蒔きから31日目。
真夏のような暑さのなか、成長著しい。
針金でサポートしても、伸びすぎで倒れてしまう。
蔓も どんどん伸びる。
そろそろ定植してもよさそうだ。
6月5日
3つすべてのポリポットで、本葉が8枚になった。
なので親蔓の先端から、10cm前後をカット(摘心)。
こうすることで子蔓が伸び……
収量を増やせるのだという。
こちらも同様に摘心。
でも正直、元気な株に鋏を入れることに、少なからず抵抗があった。
残る1つのポリポットは、他の2つより背が低いため、摘心せず。
巻き付き先のない蔓が、虚しく こんがらがっていた。
6月11日
かなり茂った。
長雨のせいで、定植のタイミングがないのだ。
乾燥させると、葉がすぐに萎れる。
6月21日
いいかげん伸びすぎなので……
試験的に1株だけ定植。
1番大きな株を、60cmプランターの左に植え付けた。
屋外栽培になるため、寒さや長雨の影響を考慮し、ダイソーの「多用途不織布シート」で覆っておいた。
後の外壁には、同じくダイソーの「麻で出来た 多目的ネット(約80×180cm)」を設えた。
6月23日
2日後、問題なさそうなので、残りの2株も定植。
根鉢は、下側を中心に軽く崩した。
摘心しなかった小さな株は、プランター右に植え付けた。
これで3株すべての定植完了。
気づけば1輪、すでに花が咲いていた。
蔓を伸ばすためには、このような初期の花は、摘んだほうがいいらしい。
6月24日
翌日。
新たに1輪、咲いていた。
6月29日
3株とも、無事 定着したようだ。
蔓が続々、ネットに巻き付く。
花は咲いても、すぐ枯れる。
あと前から気になっていたが、ゴーヤからこってり濃厚な、アーモンドに似た臭いがする。
2014年7月『雄花と雌花・収穫間近』 ※元記事はこちら
7月1日
種蒔きから61日目。
すでに花期。
いよいよ夏本番。急成長が期待される。
7月2日
複数の花が咲いている。
この中心(蘂)が黄色いのが……
雄花。
雄花は、朝のうちに花を開いて、すぐに萎れて落ちてしまう。
黄緑なのが……
雌花。
花の下部が膨らんでいる。
多くは雄花なので、雌花が咲いたら大切に育てたい。
7月6日
すべての花が落ちた。
実は徐々に育ってきている。
7月11日
暑くなり、よく伸びている。
実も巨大化。
ただ下側(根元のほう)の葉が、枯れてゴールドに変色しているのが気になる。
このような場合は、マグネシウム不足が疑われるらしい。
7月16日
成長を促すべく、有機肥料と苦土石灰を撒いた。
有機石灰ではなく苦土石灰を撒いたのは、マグネシウム不足を補うため。
7月28日
しばらく雨が続いた。
そんななか……
実も葉も……
よく育った。
だが「緑のカーテン」には ほど遠い。完成するころには、もう肌寒くなっていそうだ。
どちらにしろ背後は、窓のない ただの壁だが。
2014年8月『初収穫でゴーヤチャンプルー』 ※元記事はこちら
8月1日
種蒔きから92日目。
真夏の暑さが続く。
いよいよ実が育ってきた。
気づくと1つの実が、熟しすぎて破裂していた。
8月3日
ついに収穫開始。
同時栽培中の「ルッコラ」も混ぜて、沖縄料理の「ゴーヤチャンプルー」を作ってみたい。
包丁で縦半分に割り……
なかのワタをスプーンなどで掻き出す。
このとき種も収穫できる。
綺麗に掻き出したら……
5~10mm前後の厚さに刻み……
塩水に浸して軽く揉む。
苦みを減らすため、そのまま15分ほど放置しておく。
今回は木綿豆腐・ニンジン・タマネギ・卵(そしてルッコラ)とともにチャンプルー(混ぜ合わせる)。
まずはフライパンに油を引き、よく水切りした木綿豆腐を炒める。
火が通ったら、一旦皿に退避。
次にゴーヤ・ニンジン・タマネギを軽く炒め……
先ほどの木綿豆腐と溶き卵を加える。このときルッコラと白ゴマも混ぜてみた。
よく炒めてできあがり。
味付けは味付きの塩コショウ。めんつゆも、ごく少量垂らしておいた。
鰹節も、たっぷりと振りかけた。
お味は、ほぼ豆腐入りの野菜炒め。なので当然美味い。
ほんのりと、ゴーヤ特有の苦みを感じる。
8月8日
ネットが撓むほど伸びた。
また実が完熟し、破裂しそうになっていた。
8月9日
翌日。大きな実が破裂したので収穫。
種はゼリー状の ぬめぬめと赤い膜に覆われている。
そのまま しゃぶると、薄甘い味がした。
子供のころ、野山の木の実などで味わったような、懐かしい味だ。
8月11日
台風11号(温帯低気圧?)が無事通過。
まだまだ花期。
この実は大きくならないうちに、熟して破裂しかけていた。
8月13日
まだ伸びる。
熟していた実が、乾いてきていた。
開いて種を3つ収穫。ただそのうち2つが、まだ未熟らしく色が白い。
これは蒔いても芽吹かなそうだ。
こちらはまだ小さいのに、完全に変色してしまった。
受粉していなかったのかもしれない。
8月24日
お盆もすぎ、過ごしやすい気温が続く。
蔓が伸び、ネットの上まで辿り着いた。
新たに2つ、大きく実った。
8月25日
雌花をみつけては、人工授粉している。
2014年9月『2度目の卵入りゴーヤチャンプルー』 ※元記事はこちら
9月1日
種蒔きから123日目。
高さ180cmのネットを超えるほどに伸びた。
黄色い花が複数咲いている。
蘂も黄色いので雄花。
2つの実が、並んで育った。
9月6日
夏も終わり、ほとんどの葉が黄緑色に。
並んだ実の片方で、変色が始まっている。
相変わらず「巻き付き欲」が凄い。
9月10日
色褪せたが、まだ多少伸びている。
並んだほうの片方が完熟し、破裂していた。
とり急ぎ種を収穫。
9月17日
もう片方も変色してきたので収穫。
2回目の「ゴーヤチャンプルー」なので、当然のように美味。
変わった味だと思っていたが、やや食べ慣れた。
9月24日
前回収穫した翌日に、液肥を与えておいた(今月2度目)。
根元のほうに、ひとつ大きめの実が育っているのを発見。
繁った葉に隠れつつ、ここまで大きく育ったのだ。
2014年10月11月『種収穫、栽培終了』 ※元記事はこちら
10月2日
種蒔きから154日目。
蔓が伸び、高さ180cmのネットでは足りず、横に誘引している。
2つの実が収穫できそう。
雌花は見つけ次第、人工授粉している。
雄花の蕾は、ある程度残して摘蕾中(写真 上中央は雌花。他は雄花の蕾)。
やや先が尖っていて、蕾の下部が膨らんでいないのが、雄花の蕾。
隠れて育った実が、破裂していた。
種を包む赤い膜は、ゼリー状の ぬめぬめに覆われていて、舐めると甘い。
これが本日収穫できた種。
10月3日
育っていた2つを収穫。
まずは縦半分にカットし、なかのワタをスプーンで掻き出す。
そのとき種を収穫。
こちらは収穫が早かったようだ。種が熟せず真っ白だ。
本日は、この2つの実を使って「ゴーヤチャンプルー」を作りたい。
「ゴーヤ感」を強めるため、1cm強の厚さに刻む。
それを塩水で軽く揉み、15分ほど浸しておく。
まず水を切った木綿豆腐を軽く炒め、さらにゴーヤとミックスベジタブルを加え炒める。
仕上げに溶き卵をチャンプルー(混ぜ合わせる)。
味付き塩コショウと めんつゆ少々を、火を止める直前に絡めておいた。仕上げに鰹節も振りかけてある。
3度目のゴーヤチャンプルーなので、手慣れたものだ。
野菜に冷凍ミックスベジタブルを利用するなど、今回は若干、手を抜いている。
ゴーヤの下処理などに、多少手間がかかるので。
ちなみに収穫が早く、種が白かった実は、かなり苦味が強かった。
10月15日
かなり寒くなってきた。
残りの実を育たせようと、蔓を適当に剪定。
小さな実も、これ以上は育ちそうにないので、思い切って間引く。
10月27日
風に煽られ、ネットが切れてしまった。
葉も枯れたので、しばらくこのまま放置。
11月1日
ひたすら枯れゆくゴーヤたち。
11月14日
昨日ついに、初雪が降った。
これで完全に栽培終了。
11月30日
こちらが今年収穫できた、すべての種。
ダイソーの種よりも、かなり色が薄いようだ。
熟し足りなかったのだろうか。
殻を剥くとこんな感じ。
だが、こんなに多くの種があっても、植える場所がない。
さて来シーズンは、どうしようか。
「ゴーヤ(苦瓜)」初栽培 まとめ
私のゴーヤ初栽培は、つつがなく終了した。
さほど害虫にも集られず、水やりと追肥さえ続けていれば、特に問題はなかった。
沖縄の象徴的作物なので、北海道での栽培には不安があったが、杞憂だった。
運がよかったのかもしれないが。
以下、今回の経験や知識の書き抜き。
発芽促進のため、種の殻を爪切りでカットし、ひと晩水に浸しておいた。
まずは育苗用のポリポットに種蒔き。
2,3cmほどの深さで「横向き(水平)」にして埋めた。
発芽適温は25~30℃ほどなので、保温の必要があった。
定植までの育苗期は、室内栽培とした。
発芽に9~12日もかかった。
ダイソーの種は5つ入りで、そのうち3つしか芽吹かなかった。
本葉が5~8枚を数えたら「摘心(てきしん)」する。
親蔓の先端から10cm前後を、思い切ってカットした。
元気な株に鋏を入れることに、少なからず抵抗があった。
だが摘心することで、子蔓がよく伸び、収量も増えるのだという。
長雨のせいで、なかなか定植できなかった。
そのため室内で、収拾が付かなくなるほど伸びた。
定植先は、60cmプランター。
定植時、ポリポットの根鉢は、下側を中心に軽く崩した。
外壁に「麻で出来た 多目的ネット(約80×180cm)」を設え、手で蔓を横に這わした。
寒さ対策として「多用途不織布シート」で覆った。
特に先端の成長点あたりから、アーモンドのような臭いがする。
定植や摘心の作業時、手に臭いが移って困る。
3株のうち、1番小さかった1株は、摘心しなかった。
だが最終的には、3株とも変わらず伸びた。
摘心しなかった株は、実が育ちにくかった気がする。
用土は、市販の元肥入り用土。
それに苦土石灰を少量混ぜた。
水やりは、土の表面が乾けば たっぷり。
葉水も適宜。
成長期には、多くの水が必要になる。
乾燥すると すぐ萎れる。
とはいえ多湿にも注意が必要。
日当たりが重要。
だが、日当たり悪い我が家でも、無事育った。
育ち具合により月に数回、化成肥料や液肥を追肥。
酸性土対策で、有機石灰などを撒いてもよい。
下側の葉が枯れるなら、マグネシウム不足が疑われるので、苦土石灰を撒いてみる。
やはり暑くなるとよく伸びる。
真夏に「緑のカーテン」を設えるには、早めに育て上げる必要がある。
蔓を伸ばすため、初期の花は摘んでおく。
ゴーヤの花には、雄花と雌花がある。
雄花は、真ん中(蘂)が黄色く、すぐに萎れて落ちる。
雌花は、真ん中が黄緑色で、花の下が膨らんでいる。
多くは雄花なので、雌花が咲いたら大切に育てたい。
蕾の段階で見分けられたら、雄花はある程度 摘蕾する。
雄花の蕾は、やや先が尖りぎみで、下側が膨らんでいない。
雌花の蕾は、やや先が丸く、下側が膨らみ始めている。
虫が少ない環境ならば、人工授粉したほうがよい。
実は、一部が薄黄色になるぐらいが収穫期。
それを過ぎ、全体が真っ黄色に完熟したら、種を採る。
種を包む、ゼリー状の ぬめぬめに覆われた赤い膜は、しゃぶると薄甘い。
完熟したら、食べるには遅すぎる。
だが収穫が早すぎると、苦味が強くなる。
食べるならやはり「ゴーヤチャンプルー」。
ネットで調べた調理法を、我流で少々アレンジした。
「我流は地雷」がモットーなのだが。
食材は、ゴーヤ1,2本・木綿豆腐1/2〜1/3丁・ニンジン適量・タマネギ適量・卵1個。
まずゴーヤを包丁で縦半分に割り、なかのワタと種をスプーンなどで掻き出し、5~10mm前後の厚さに刻む。
それを塩水に浸して軽く揉み、15分ほど放置しておく(苦みを減らすため)。
油を引いたフライパンで、まずは木綿豆腐を炒め、火が通ったら一旦皿などに退避。
次にゴーヤ(水切りしておく)・ニンジン・タマネギを軽く炒め、引き続き先ほどの木綿豆腐・卵(溶いておいてもよい)を加えてチャンプルー(混ぜ合わせる)。
よく炒めたら、味付き塩コショウと めんつゆを少量垂らし、皿に装って鰹節をかけ「Web雑記流ゴーヤチャンプルー」の できあがり。
木綿豆腐は よく水切りしたのち、手で千切ってから炒めた。
ニンジン・タマネギは適量をテキトーに刻んだ。
テキトーに白ゴマも混ぜてみた。
あれば豚肉も入れたかった。
ゴーヤは もぎたてだと苦みが少ないらしい。
卵もゴーヤの苦みを抑えていたはず。
めんつゆで味付けすると「おかず感」が増すと思う。
私は どんな失敗料理でも、めんつゆさえ垂らしておけば大丈夫だと思っている。
省力化するなら、ゴーヤ以外の野菜はミックスベジタブルでいいと思う。
ゴーヤはワタを掻き出したり、塩水に浸したりと、下処理が面倒なので。
木綿豆腐もフライパンに乗せっぱなしでいいかも。
少しでも手を抜きたいので。
こんなところか。
情報多すぎ。
いろいろ記したが、さほど栽培難度は高くないと思う。
皆様もぜひお試しください。
ただゴーヤは、道産子の私には、何回も食べたくなる味ではなかった。
特有の苦味は好ましいが、食べ慣れていないせいか、もう十分だと感じている。
なのでゴーヤの栽培は、2014年で一旦終了としたい。
特に課題も目標もないので。
他にも いろいろ栽培するので。
種が どっさり余っているが。
なので庭の片隅に、テキトーに蒔くかもしれない。
もし続いたら、またお願いいたします。
ルッコラと同じパターンだ……。