2年目は手抜きで繁茂!「パクチー(コリアンダー)」テキトー栽培記2015(その5|総集編)
北海道某所(札幌圏)からお届けする「パクチー(コリアンダー)」のテキトー栽培記。
2年目となる2015年も、2014年 総集編・2015年 その1(6月)・その2(7月)・その3(8月)・その4(9月〜10月)と、変わらぬテキトーぶりをご覧いただきました。
そのまとめとして今回は、2015年シーズンの「総集編」をお届けいたします。
2015年6月『2年目は育てくらべ』 ※元記事はこちら
6月1日
今年蒔くのは、2種類の種。
上は、昨年(2014年)使い切れなかった「新品の種」。
有効期限切れだが、ちゃんと発芽するだろうか。
下は、昨年の栽培で「収穫した種」。
昨年「こぼれ種」が発芽したので、恐らく有効のはず。
どちらも元は、株式会社サカタのタネ「パクチー(コリアンダー)」。
1つの種からは、2本の芽が生えてくる。
なので殻を、2つに割ってから蒔くと無駄がない。
これが割って殻を除いた種。
昨年は、ひと晩 水に浸してから蒔いたが、その必要はなさそうだ。
「新品の種」と「収穫した種」を、プランターの左右に分け、それぞれ2列に「すじ蒔き」。
覆土は5〜10mm程度。
植え替え(移植)すると弱るので、ポリポットなどで育苗する必要はない(直播栽培)。
用土は使い古しの、市販の元肥入り培養土。
多肥は避けたほうがいいらしい。
酸性土も不適なので、苦土石灰を多めに混ぜてある(重要)。
水はけ確保のために、パーライトと鹿沼土も混ぜてみた。
さぁ、2年目のパクチー栽培の始まりだ。
6月12日
11日後、プランター左の「新品の種」が芽吹いた。
発芽適温が高めのためか、少々時間がかかったようだ。
プランター右「収穫した種」は、この1苗のみ。
すでに差がでているのか。
6月15日
プランター左「新品の種」が、続々と芽吹く。
面倒なので、大部分の種を割らなかった。
そのせいもあってか、かなり密集して生えている。
プランター右「収穫した種」も、ぼちぼち発芽中。
だが発芽率は低い。
「新品の種」よりも、かなりたくさん蒔いたのに。
累代栽培すると、質が大きく落ちるのだろうか。
6月24日
天候が優れぬなか、パクチーたちは急成長。
プランター左「新品の種」は、本葉を開き そろそろ食べごろ。
プランター右「収穫した種」も、やっと本葉を伸ばし始めた。
やはり「新品の種」よりも遅れぎみだ。
間引きがてら、収穫を開始。
生で食べたら、やはり風味に癖がある。
2年目になっても、まだ好きになれそうもない。
この6月は、道内の平均降水量が平年比で4割も多く、日照時間は2割少なかった。
そのせいか、思うほど育っていない。
2015年7月『急成長。パセリ替わりなら喰える』 ※元記事はこちら
7月2日
パクチーたちは、ぐんぐんと成長中。
プランター左「新品の種」は、すでに食べごろサイズ。
根元はこの状態。
あきらかに密集させすぎ。
プランター右「収穫した種」も、そろそろ収穫期。
「新品の種」と比較し、発芽率・成長具合ともに劣るのがみてとれる。
7月7日
「新品の種」は、伸びすぎて倒れがち。
「収穫した種」も、元気いっぱいだ。
いくらか収穫し、ポークステーキの味噌漬けに添えてみた。
食べられなくはないが、やはり美味いとは思えない(あくまで個人の感想)。
独特の臭気には、やや慣れた。
なのでもっと少量、パセリ替わりの薬味としてなら、私にも受け入れやすい。
7月19日
プランターから溢れんばかり。
正直、こんなにあっても食べきれない。
なのでもったいないが、適宜、間引いて捨てている。
7月26日
この1週間で急成長。
背も伸びて、うっそうと繁ったパクチーの森。
初期の葉とは違う、細い葉を付け始めた。
どうやら花軸(?)が伸びて、薹立ちしてきたらしい。
この細い葉も食べられるが、初期の葉と比較すると、風味が落ちるのだという。
この7月は不安定な天候ながら、本当によく育った。
やはり、ある程度の暑さは必要なのだろう。
あと3日ほど前に、化成肥料と有機石灰を撒いている。
2015年8月『咲き溢れる白い花』 ※元記事はこちら
8月2日
パクチーたちは いっきに伸びて、様子が変わった。
こちらがプランター左「新品の種」。
すでに1箇所、開花を開始。
こちらがプランター右「収穫した種」。
まだ若干「新品の種」よりも成長が遅い。
食用に適した初期の葉は、脱色しながら枯れてきている。
8月7日
暑い最中また伸びた。
そして、本格的な花期到来。
地味だが、なかなか個性的な花だ。
一応、食用にもなるらしい。
今日は多めに間引いた。
だが まだまだ過密。
あと昨日、気まぐれで液肥を与えた。
8月12日
プランターは、花期 真っ盛り。
小さな花が、続々と咲いている。
みどころは複散形の花序(分枝様式)。
8月20日
お盆も終わり、肌寒い日が増えてきた。
「新品の種」を中心に、手前に倒れ込んできた。
背が伸びすぎたのだろうか。
いっせいに種が実り、重かったのかもしれない。
種も なかなかに個性的。
この生の実も、食べられるのだとか。
8月で、いっきに葉が食べごろを終え、花期から種期へと移り変わった。
2015年9月〜10月『苦手でも生の実なら使える。栽培終了』 ※元記事はこちら
9月3日
秋になり、パクチーたちは枯れてきている。
細い茎が、軒並み折れた。
支柱でのサポートが、足りなかったようだ。
それでも、十分育つのだから凄い。
種は大量に実っている。
しかし根元は素っ裸。
収穫していないのに、いつの間にか葉が消えた。
9月7日
相変わらず倒れっぱなし。
現在は種の成熟待ち。
よくみると、アブラムシが集っていた。
パクチーには集りやすいらしい。
テキトーに払って、未成熟な種を収穫。
このような生の実は、水洗いしやすくていい。
料理アニメ「食戟のソーマ」で、スパイスの利用法の多様さを解説するシーンがあった。
その一例として「パクチー(生の葉)」「ホール(種そのまま)」「パウダー(種を粉に)」「生の実(未熟な種)」が、コリアンダーの利用法として挙げられていた。
それで私は、生の実もスパイスになると知った。
味付きチキンに散りばめたら、これがなかなかよい。
ホールだと皮が厚いし、パウダーにするのは手間で道具も要る(丁寧に摺り下ろさないと皮が残る)。
しかし生の実だと新鮮で、皮ごと食べても気にならない。
手軽に水洗いでき、スパイスとしても利用しやすい。
9月16日
今度はポークに生の実を。
粒を噛みしめると、コリアンダーの爽やかな香りが広がる。
少量ならば、アクセントになっていい(写真は多すぎかも)。
生の葉と違い、カメムシのようなパクチー臭が薄い。
これがパクチー嫌いな私、唯一の利用法だと思う(もしくは自分で育てずパウダースパイスを買うか)。
9月22日
パクチーたちは、ほぼ枯れた。
種も完熟したようだ。
9月23日
本日ついに、種を収穫。
だがスパイスとしては利用しない。
来シーズンの栽培予定もないので、種としても使わない。
あくまでも、この栽培記用の収穫だ。
あとは すべて抜き、栽培終了。
お疲れ様でした。
10月6日
気づけば空きプランターで、「こぼれ種」から芽がでていた。
すでに栽培終了し、日陰に放置していたのだが。
じきに初雪も降るので、育て上げるつもりはない。
それでも、パクチーの生命力を垣間見ることができ嬉しかった。
2年目の「パクチー(コリアンダー)」栽培まとめ
2年目のパクチー栽培も、つつがなく終了した。
初栽培時よりも、かなりテキトーな扱いだったが、順調に育て上げることができた。
恐らくここ北海道は、パクチー栽培に適した環境なのだろう。
以下、この2年間で得た知識。
1つの種から、2本の芽が伸びてくる。
なので種は、ヤスリで削るなどして、2つに割ってから蒔くと無駄がない。
用土の多肥は避ける。
酸性土も不適なので、石灰類を多めに混ぜる(重要)。
使い古しの用土なら、パーライトや鹿沼土も混ぜて、水はけを確保する。
覆土は5〜10mm程度。
植え替え(移植)すると弱るので、ポリポットなどで育苗する必要はない(直播栽培)。
過密にすると貧弱に育つので、ある程度 株間を確保したい。
水やりは、土の表面が乾けば たっぷり。
葉水も適宜。
基本的に、乾かしすぎも湿らしすぎもよくないようだ。
特に真夏は、涸らさないよう注意したい。
暑くなったら、半日陰の環境に置くといい。
特に幼苗は暑さに弱く、葉焼けもしやすい。
葉の様子をみて、日当たりを加減したい。
種蒔き後、まず大きめの葉を広げ、次に茎(花軸?)だけ すらりと伸ばし、細い葉を付け始める。
その後、蕾が花開き、そして種を結ぶ。
その複散形の花序(分枝様式)は個性的。
食用に適した初期の葉は、花期には枯れてゆくようだ。
なので葉を食べるなら、若いうちに どんどん摘むこと。
数グループで時間差栽培したら、間を空けずに食べられる。
葉の収穫が目的なら、花芽は早めに摘み取ること。
草丈が伸びたら、支柱などでサポートしたい。
害虫が集ったら、早めに市販の薬品を撒く。
種はスパイスの「コリアンダー」として利用できる。
だが完熟後だと、消毒や殻の処理が難しい。
なので私は「生の実」としての利用をお薦めしたい。
生の実とは、成熟前の青い種のこと。
やや退色した頃合いのほうが、香りがマイルドだと思う。
肉料理に少量ばら撒けば、いいスパイスになるだろう。
水洗いしやすく、新鮮で殻(皮)ごと食べても気にならない。
2年目の収穫は、この生の実の利用価値を知ったことだ。
あとは、お店で買った「新品の種」のほうが、その種を育てて「収穫した種」よりも、発芽率・成長具合ともに優れるということくらい。
まとめると、種を2つに割ってから、育苗ポットなどは使わずプランターや花壇に直播きする。
石灰類を多めに撒き、強すぎる日射しを避ければ、あとは通常の水やりで勝手に育つ。
これで恐らく、園芸初心者でも簡単に、育てられるかと思います。
種も安価なので、ぜひ育ててみてください。
「パクチーの味がお好きならば」ですが(笑)。
以上で「パクチー(コリアンダー)」のテキトー栽培記は終了です。
2年間、本当にありがとうございました。
つまり、3年目はないと。
さすがに飽きたので。
そもそもパクチーは、私の口には合わないし。
それでも、なかなか個性的な植物なので、楽しく栽培することができた。
この経験を、他の栽培にも生かしてゆきたい。
はぁ〜、2年間楽しかった。
そしてカメムシ臭かった!