種蒔きから葉と種の収穫まで!「パクチー(コリアンダー)」テキトー栽培記(その6|総集編)
北海道某所(札幌圏)からお届けする「パクチー(コリアンダー)」のテキトー栽培記。
我が初栽培の模様を、その1(2014年5月〜6月)・その2(7月)・その3(8月)・その4(9月)・その5(10月〜12月)と、約半年にわたりご覧いただきました。
最後となる「その6」は、これらの総集編となります。
2014年5月〜6月『栽培も食べるのも見るのも初めて』 ※元記事はこちら
5月21日
蒔く種は、株式会社サカタのタネ「パクチー(コリアンダー)」。
種はスパイスの「コリアンダー」。
この種1つから、2本の芽がでるという。
なので普通は、2つに割ってから蒔くものらしい。
まずは発芽促進のため、ひと晩水に浸しておいた。
割った種は、水に沈んだ。浮かんでいるのは、そのままの種。
今回、割った種が芽吹くか不安なので、割らない種も蒔くことにした。
用土は、市販の元肥入り用土の「使い古し」。
多肥は避けたほうがいいらしいので。
それに苦土石灰を多めに混ぜた。
酸性土もNGらしい。
水はけ確保のために「パーライト」も混ぜてみた。
浸した種を、60cmのプランターに蒔く。
寒さ対策として、プランターは「多用途不織布シート」で覆っておいた(手前のプランター。他は「ラディッシュ」と「ヤグルマギク」)。
無事発芽しますように。
6月1日
11日後。たくさん発芽していた。
隣接した芽は、割らなかった種だろうか。
プランターに加え、床に落ちていた種を「ポリポット(種苗育成ポット・ビニールポット・プラスチックポットなどとも呼称)」にも蒔いていた。
室内栽培のせいか、こちらは1日早く発芽。
本日、さらに3つのポリポットにも蒔いてみた。
6月8日
発芽から1週間。かなり芽が増えてきた。
いくつかの芽に、種の殻が付いている。
割らなかった種からの芽だ。帽子みたいで可愛らしい。
不織布シートは、天候により適宜取り外している。
6月1日に蒔いたポリポットも、1週間で無事発芽。
6月11日
ポリポットは引き続き室内栽培中。
6月17日
蝦夷梅雨のような長雨が続く。
湿らしすぎを避けるため適宜、不織布シートで覆っている。
間引きがてら、いくらか抜いて食べてみた。
カメムシを思わせる臭気。正直、私の口には合わない。
プランターと違い、ひょろひょろ伸びるポリポット。
種を割らずに蒔くと、密接して生えてしまう。
片方を間引くにしても、もう片方の根を傷つける。やはり種は割ったほうがいい。
6月21日
本日は夏至。プランターは順調に成長中。
ポリポットは、ひょろ長すぎて自立もできない。
6月23日
ポリポットの苗を、ミニプランターへと定植。
6月1日に蒔いたポリポット2つから、6苗ずつ計12苗を定植。
残り2つのポリポットは、他に定植先もないので、そのまま育てる。
6月26日
プランターは、かなり育ってきた。
適宜、間引きがてら摘み食いしている。やはり口には合わない。
先日定植したミニプランターは、数本を除き倒れてしまった。
2014年7月『植え替えし即枯れ』 ※元記事はこちら
7月1日
種蒔きから41日目。プランターは どんどん繁る。
増えすぎたので、多めに間引く。
ミニプランターは、2本を残して枯れてしまった。
なので6月1日に蒔いたポリポットから……
入れ替えるかたちで4本定植。
こちらは、庭の「間引き株のゾーン」。
他の栽培品種を含め、余った苗の一部を、適宜こちらへ植え替えしている(基本観察対象外)。
この片隅に「メインのプランター」で抜いた苗を、いくらか植え替えしておいた。
7月15日
暑くなってから、少しずつ色が落ち……
枯れてきている。
ミニプランターは、6月23日に定植した2苗は元気。
だが、7月1日に定植した4苗が、1苗を残し枯れてしまった。
ポリポットに残る、5月21日に蒔いた2苗は、比較的元気。
7月20日
プランターは水やりを増やしたせいか、持ち直しつつある。
ミニプランターの7月1日 定植分は、すべてが枯れた。
パクチーの苗は貧弱なので、植え替えは避けたほうがいいようだ。
7月28日
いまさらだがポリポットは、7月から玄関の風除室内に置いている。
よくみると、大量のアブラムシとアリに集られていた。
対策として、フマキラーの「カダンプラスDX」をかけておいた。効果は覿面。
7月29日
プランターが急伸。
20日より、暑さを回避すべく日陰に置いたが、それが功を奏したようだ。
本葉を増やさずに、茎を すらりと伸ばし始めた。
伸びた先の葉は、食べていた初期の葉とは、姿形が違う。途中で変態した雰囲気。
2014年8月『花期到来&種結ぶ』 ※元記事はこちら
8月1日
種蒔きから72日目。プランターは、暑い最中に元気に伸びる。
白い花も咲かせ始めた。
ミニプランターでは、6月1日に蒔いたポリポットから、6月23日に定植した2株が成長中。
ポリポットは、5月21日に蒔いた2株が、枯れてきている。
「間引き株のゾーン」は、ほぼ放置状態にも関わらず、よく伸びる。
8月8日
蒸し暑い日が続くなか……
プランターは花期 真っ盛り。
小さめだが、ユニークな姿形の花だ。
ミニプランターは、やたらと葉が繁ってきた。
8月11日
台風11号の襲来により、昨夜から「ミニプランター」を、玄関の風除室内へと退避(「ポリポット」は常に風除室内)。
同様に60cmプランターも、自転車用の簡易物置へ退避。
おかげで、どちらも無事。
8月13日
プランターは花盛り。
ミニプランターは、まだ初期の姿だが、とても大きく育っている。
ポリポットは、いつの間にか立ち直り、花を咲かせ始めた。
8月16日
プランターは まだまだ花期。
気づけば種も結び始めた。
ミニプランターは急伸。
食用の時期から、花を咲かせる段階にはいった。
8月24日
どんどん伸びるミニプランター。
ついに花を咲かせ始めた。
ポリポットも花盛り。
念のため、3ヵ所すべてに有機石灰を撒いておいた。
2014年9月『種スパイス初収穫』 ※元記事はこちら
9月2日
種蒔きから104日目。プランターは傾きつつも、元気に繁る。
大きく2つに束ね、ダイソーの「鉢植えの葉ダレ防止用円型支柱」でサポート開始。
花が続々、種を結ぶ。
ミニプランターは、花期 真っ盛り。
やたらと伸びている。
ポリポットは種の時期へ。
9月14日
プランターは、束ねた左側が……
いまだ花期。
右側は、大量の種を結んで、重そうに垂れる。
熟すのは、まだ先か。
ミニプランターは……
左の株が折れてしまった。
大量の種を結んでいるが……
ちゃんと熟すだろうか。
「間引き株のゾーン」も、知らぬ間に種を結んだ。
9月24日
プランターでは、熟した種から収穫開始。
ミニプランターにも大量の種。
ポリポットは、枯れ切ったので抜き……
種を収穫。
「間引き株のゾーン」では、勝手に育った1株が……
綺麗な花を咲かせていた。
2014年10月〜12月『スパイスにして栽培終了』 ※元記事はこちら
10月2日
種蒔きから134日目。プランターは、すべてが傾いた。
数が多いせいか、種が なかなか成熟しない。
それでも熟したものから収穫中。
根元はこんな感じ。
過密ぎみのためか、ひょろひょろだ。
ミニプランターも……
多くの種が成熟待ち。
パクチーの種は、この複散形の花序(分岐様式)がユニーク。
「間引き株のゾーン」は、いまだに花期が続いている。
10月20日
プランターで……
熟した種を大量収穫。
ちなみにこの60cmプランターでは、現在30株以上も育てている。
ミニプランターでは、2株だけが生き残った。
その2株から……
大量の種を収穫できた。
11月9日
プランターでは、熟した種を小まめに収穫。
終わった株から、抜き始めている。
ミニプランターでも、熟した種を見つけては収穫。
やはり2株からにしては、収量が多い。
11月23日
プランターは、どんどん収穫し、どんどん抜く。
ミニプランターも同様。
12月1日
種蒔きから194日目。残った種を採り、ほとんどの株を抜いた。
こちらは「こぼれ種」から育った株。この寒さにしては元気そう。
ミニプランターも、残る種を収穫し……
抜いた。
「間引き株のゾーン」でも、やっと種が熟したので……
収穫して抜く。
こちらが最後の収穫分。
12月4日
2日前、大雪が降った。恐らく根雪となるだろう。
これで完全に栽培終了。
12月13日
これが、今シーズン中に収穫できた、すべての種。
来シーズンに蒔くための分。
こちらがスパイスの「コリアンダー」として利用する分。
下処理として熱湯消毒後、しばらくの間 干してある。
これから使う分を、すり鉢で すり下ろす。
今回は、豚肉に振りかけてみた。
食べると、爽やかなコリアンダーの香りが、ツンと鼻を抜けてゆく。
写真は かけすぎだが、少量なら悪くない。
ただし、見た目のゴミっぽさが酷すぎる。
もっと念入りに すり下ろす必要がありそうだ。
「パクチー(コリアンダー)」初栽培 まとめ
こうして私の初栽培は、つつがなく終了した。
多少アリやアブラムシに集られたが、大きな被害には至らなかった。
「暑い地域のハーブ」というイメージなので、北海道での栽培には不安があった。
だがむしろ、暑さには弱めかもしれない。
真夏は日陰に移動し、土を涸らしすぎないよう注意した。
一番の問題点は、パクチーが私の口に合わなかったことだ。
そもそもパクチーなんて、食べるのも見るのも初めてだった。
初めて食べたパクチーが、自分で育てたものなのだ。
なので途中から、葉を食べるのは諦め、スパイスとして利用することを目標にした。
スパイスとしては、少量使うならとてもよい。
ただ、殻の処理をどうしたらいいかわからない。
すり下ろしても殻が残ってしまう。
1粒ずつ剥くのは面倒すぎるし。
誰か利用法をご教示ください。
以下、今回の経験で得た知識。
1つの種から、2本の芽が伸びてくる。
なので種は、2つに割ってから蒔くとよい。
ヤスリで削り割るのが おすすめ。
発芽促進のため、ひと晩水に浸してから蒔いてもよい。
用土は、市販の元肥入り用土の「使い古し」。
多肥は避けたほうがいいらしい。
酸性土もNGらしく、苦土石灰を多めに混ぜた(重要かも?)。
水はけ確保のため「パーライト」も混ぜた。
このへんの園芸用品は、私のようにダイソー商品を利用してもよい。
種の覆土は5〜10mmほど。
好光性種子のため、用土に埋めるというよりは、薄く覆う感じ。
植え替えすると枯れるので、直播きを基本にすること。
過密にしたら貧弱に育った(プランター)。なので ある程度、株間は確保すべき(ミニプランター)。
水やりは、土の表面が乾けば たっぷり。
葉水も適宜。
イメージほど暑さには強くない。
特に幼苗が暑さに弱い。
北海道の日射しでも、真夏には強すぎるくらいだった。
なので一時期、日陰に移動しておいた。
水やりも小まめにした。
だが多湿には注意すること。
そして乾燥にも注意。
基本的に、乾かしすぎも湿らしすぎもよくないようだ。
種蒔き後、まず大きめの葉を広げ、次に茎だけ すらりと伸ばし、細い葉を付け始める。
その後、蕾が開花し、そして種を結ぶ。
初期の葉は、花期には枯れてゆくようだ。
なので食用には、茎を伸ばす前の、若い葉のうちに摘むとよい。
草丈が伸びたら、支柱などでサポートしておく。
害虫が集ったら、早めに市販の薬品を撒く。
種はスパイスの「コリアンダー」として利用できる。
収穫後、しばらく干してから熱湯消毒し、また乾燥するまで天日干しした。
利用時は、すり鉢で すり下ろす。
だがどうしても、殻が残ってしまう。
店頭で売られているコリアンダースパイスは、細かく すり下ろされている。
なので殻を、どう処理しているかがわからない。
剥いたほうがいいとは思うが、それはあまりに手間だ。
なにかいい処理法があるのだろうか。
葉はパセリのイメージで付け合わせ的に、スパイスも少量ならば、誰でも抵抗なく食べられそうだ。
こんなところか。
冗長だったので、以下に おさらい。
種は2つに割って蒔く。
育苗ポットなどは使わず直播きする。
酸性土はNGなので、石灰類を多めに撒く。
真夏は日陰に。
多湿と乾燥に注意。
これを守れば、恐らく園芸初心者でも、簡単に育てられるかと思います。
大事なのは、パクチーの味を好きかどうかです。
私のように、口に合わないと思ったら、育てるモチベーションが下がります。
私の場合は「栽培記の公開」がモチベーションになりましたが。
それでは、2年目となる『「パクチー(コリアンダー)」テキトー栽培記2015』へと続きます。
パクチーの栽培記は、比較的アクセスが多かったので。
アクセス数さえ多ければ、何年でも続ける所存。
アクセスの亡者か。
このままだとスパイスの在庫が、山のように溜まりそうで怖い。
生食は難しいので、調理法を調べればいいか。
そのうち慣れて、生でも喰えるようになるかもしれない。
いまは想像がつかないが……。
では美味しく食べることも、2年目の課題といたしましょう!