魅力に取り憑かれたこの半年!「食虫植物(ハエトリソウ・モウセンゴケ・ウツボカズラ)」テキトー栽培記(その11|総集編2014)
北海道某所(札幌圏)からお届けする「食虫植物(ハエトリソウ・モウセンゴケ・ウツボカズラ)」のテキトー栽培記。
我が初栽培からの模様を、その1(2014年6月)・その2(7月)・その3(8月前半)・その4(8月後半)・その5(9月上旬)・その6(9月中旬下旬)・その7(10月前半)・その8(10月後半)・その9(11月)・その10(12月)と、約半年にわたりお伝えしてまいりました。
「その11」では、これらを2014年分の総集編として、一旦まとめておこうと思います。
2014年6月『禍々しくも美しい』 ※元記事はこちら
6月13日
近所のホームセンターにて、3種類の食虫植物を購入。
園芸会社は「カクタス長田」で、それぞれ税抜き398円。
「ハエトリソウ(蠅取草・ハエトリグサ・ハエジゴク・ディオネア)」。
たぶん食虫植物のなかで、もっともメジャーな存在だろう。
小虫などが、葉の内側に3本ずつある毛に触れると、葉が閉じるという仕組み。
添付の説明書きによると、意外と寒さには強いらしい。
「モウセンゴケ(毛氈苔・ドロセラ)」。
細長い葉に、赤い腺毛があり、分泌した粘液で小虫を捕らえる。
暑すぎず寒すぎず、水を切らさずで管理せよとのこと。
「ウツボカズラ(靫蔓・靫葛・ネペンテス)」。
この瓶状の袋に、小虫などを誘い落とし、内部に蓄えた消化液で養分にする。
こちらは常時、高温ぎみに管理する必要があるようだ。
ともあれ、まだ肌寒い日もあるため、しばらくはすべて室内栽培とする。
ちなみに食虫植物には、あえてエサとして虫を与える必要はないらしい(むしろ弱らせる怖れあり)。
6月19日
ハエトリソウとモウセンゴケは、浅めの「腰水(こしみず。受け皿に水を張り、鉢の底面を浸す管理方法)」で管理中。
両者は比較的、育て方が似ているようだ。
ウツボカズラは、できるだけ高温多湿で管理したい。
みると、株中央のニョロニョロが伸びてきていた。
食虫植物は全般的に、水を切らさない・乾燥させず湿度も高めに・多めに日に当てる・水苔やピートモスなどの酸性土に植える・肥料は不要・エサは不要、といった管理が基本となるらしい。
6月24日
ハエトリソウを、もう1鉢追加購入。
別の園芸会社(大彰園)のもので、税抜き462円。
「カクタス長田」の株と違い、「捕虫葉(正式名不明)」の内側が赤くない。
「ビーナスの瞼」という異名が、言い得て妙だ。
モウセンゴケは、「捕虫毛(正式名不明)」が元気にモジャモジャ。
だがウツボカズラは、小さめの葉と「捕虫袋(正式名不明)」が枯れてしまった。
夜間も、窓辺に置きっぱなしだったので、寒すぎたのかもしれない。
6月27日
ウツボカズラの調子が悪い。
大きめの捕虫袋まで枯れてきた。
状況を変えるべく、植え替えを検討したい。
6月28日
モウセンゴケとウツボカズラを、5号サイズのプラ鉢(背は低め)へと植え替えする。
まずは「水苔」を、ひと晩ほど水に浸し……
ボリュームアップしてから、用土として使用する。
購入時の3号プラ鉢の内側に、さらにポリポットがはいっていた。
みるとウツボカズラは、排水孔が詰まっている。これが枯れた原因かもしれない。
もう少し落ち着いてから、ゆっくり植え替えしようと思っていた。だがこれなら、もっと急いでもよかった。
モウセンゴケは、ほぼつつがなく植え替え完了。
購入時のピートモスは、無理に剥がすと根を傷めるので、ほぼそのまま残してある。
6月29日
翌日、ハエトリソウを植え替え。
2株を同居させるべく、プラ鉢ではなくミニプランターを選んだ。
左(下)の株が、最初に購入した「カクタス長田」のハエトリソウ。
右(上)が、24日に追加購入した「大彰園」のハエトリソウ。
2014年7月『モシャモシャがネバネバ』 ※元記事はこちら
7月4日
栽培開始から21日目。
ハエトリソウの捕虫葉は……
相変わらず禍々しい。
モウセンゴケの捕虫毛が……
モジャモジャでネバネバだ。
ウツボカズラは……
中心から伸びたニョロニョロが、割れ広がるようにして、新たな葉となってゆく。
肝心の捕虫袋は、すべて枯れてしまった。
7月9日
大彰園のハエトリソウが、茎を上へと伸ばし始めた。
モウセンゴケは、大量の粘液を分泌している。
この粘液の量が、元気のバロメータなのだとか。
ウツボカズラは、真夏の到来のせいか、勢いがでてきた。
続々葉を増やしそう。
7月11日
この半透明の道具入れを、食虫植物用に購入。
これで移動しやすくなった。暑すぎない日は、できるだけ屋外で日に当てたい。
このまま腰水できるのも便利。
7月18日
完全に真夏。
なので昼は屋外・夜は玄関の風除室内に置いている。
ハエトリソウは、大彰園の株が急成長。
茎が伸び、さらに続々生えてくる。
7月28日
ハエトリソウが、ときおりアリなどの小虫を補食している。
大彰園の株は、ひょろりと花茎を伸ばし始めた。
2014年8月前半『逆に虫に喰われるも花開く』 ※元記事はこちら
8月1日
栽培開始から49日目。真夏の暑さが続く。
ハエトリソウは屋外に置いてから、頻繁に小虫を補食中。
ただハムシの仲間(?)を捕まえると……
内側から葉を喰い破られ、脱出されてしまうことがある。
逆に食虫植物を喰う虫もいるのだ。
モウセンゴケの捕虫毛には、虫よりも花びらやタンポポの綿毛などが、たくさん付着している。
ウツボカズラには待望の、新しい捕虫袋が育ち始めた。
8月8日
引き続き、昼は屋外・夜は玄関の風除室内に置いている。
ハエトリソウの大彰園の株が、そろそろ花を咲かせそう。
虫も たくさん捕らえている。
モウセンゴケは羽アリをGet。
ウツボカズラは、2つの捕虫袋が成長中。
8月11日
朝、ハエトリソウが、白い花を開き始めた。
そして……
夕方には完全に開花。
8月12日
翌日、2輪目の花を咲かせた。
8月13日
ウツボカズラの……
捕虫袋が育ってきた。
ウツボカズラだけ特別扱いし、日当たりや温度管理を徹底し、葉水も頻繁に与えていた。その成果か。
8月14日
ハエトリソウが続々と、新たな花を開いている。
2014年8月後半『捕虫袋の蓋開く』 ※元記事はこちら
8月16日
栽培開始から64日目。写真が増えたので、8月は2ページ構成に。
ハエトリソウは、引き続き花期。
8月17日
ハエトリソウが、大きなハチ(?)を捕まえていた。
ただ、ほとんど消化していないようだ。とりあえず取り除いておいた。
モウセンゴケは、ゼンマイを思わせる花茎を伸ばし始めた。
ウツボカズラには、捕虫袋の成長を促すべく、ごく微量の液肥を与えた。
8月18日
ハエトリソウ大彰園の株の花が、4輪も咲き誇った。
近ごろは涼しいので、たいていは昼も風除室内に置いたまま(夜間を除き扉は1/3ほど開けている)。
なので虫が集りにくいため、テキトーに人工授粉している。これで種が実ればいいが。
8月21日
モウセンゴケが、花茎を ひょろひょろ伸ばしている。
ウツボカズラは、捕虫袋が巨大化中。
8月24日
ハエトリソウが、種らしきものを結び始めた。
モウセンゴケは、複数の花茎を伸ばしている。
ウツボカズラでは、1つの捕虫袋が蓋を開いた。
これで虫を捕らえられる。
8月29日
モウセンゴケが、蕾を膨らませている。
ウツボカズラは、この1つ目に続き……
2つ目の捕虫袋も、蓋を開いた。
2つとも、枯れた購入時の捕虫袋とは、色もサイズも違うし、毛も生えていない。同じ株なのに、この違いはなにか。
2014年9月上旬『花咲くドロセラ』 ※元記事はこちら
9月1日
栽培開始から80日目。
カクタス長田のハエトリソウは、花を咲かせずとも、着実に成長中。
変化の激しい大彰園の株。
モウセンゴケは……
ついに花を咲かせた。
鈴生りの蕾の根元側から、順次 開花してゆくようだ。
ウツボカズラは……
捕虫袋を光にかざすと、底に消化液が溜まっているのがみえる。
9月6日
ハエトリソウ大彰園の株は、すべての花が枯れた。
モウセンゴケは、現在4本の花茎が伸びる。
捕虫毛は相変わらず べとべと。
ウツボカズラで、3つ目の捕虫袋を発見。
肌寒い日が増えたので、夜は2階の空き部屋へ移動している。
9月7日
モウセンゴケが……
新たに2輪 花を開いた。
9月9日
モウセンゴケは、花期真っ盛り。
花が3輪咲いている。
2014年9月中旬下旬『真っ黒い種を収穫』 ※元記事はこちら
9月13日
栽培開始から92日目。
カクタス長田のハエトリソウは、相変わらず元気そう。
大彰園の株は……
花の枯れ痕が、真っ黒になりつつある。
はたして種は結ぶだろうか。
モウセンゴケは、引き続き花期。
4本の花茎が1輪ずつ……
花を咲かせている。
ウツボカズラは……
購入後育った捕虫袋が重たそう。
9月22日
秋が深まり、肌寒い日が続く。
なのでウツボカズラは一日中、自室の窓辺に置いている。
3つ目の捕虫袋が育ってきた。
さらに4つ目の姿も。
9月24日
そろそろ外で日に当てるのは限界か。
ハエトリソウが、黒い種を実らせていた。
落ちそうだったので、さっそく収穫。
気づけば株元に、若い小さな捕虫葉が、たくさん生えていた。
こぼれ種から「実生(みしょう。種から生長すること。もしくは種から育てた植物)」で育つには早すぎる。
きっと、俗に言う「分裂(株分かれ)」をしたのだろう。
モウセンゴケは、また新しい花を咲かせた。
ハエトリソウのように、種を結んでくれるだろうか。
2014年10月前半『実生に挑戦』 ※元記事はこちら
10月1日
栽培開始から110日目。
若い捕虫葉が、まとまって育ちつつある。
モウセンゴケは……
多くの蕾が咲き終えた。
捕虫毛は引き続き、大量の粘液を分泌中。
ウツボカズラは、ずっと自室の窓辺に。
その甲斐あってか、3つ目の捕虫袋の蓋が開いた。
10月2日
ハエトリソウの収穫した種を……
2つのミニプラ鉢に蒔いた。
冬間近だが、種の有効期限が数ヶ月ほどらしく、蒔き時を考慮する余地がなかった。
用土は同じく、よく湿らせた水苔。覆土はせずに、ばら蒔いただけ。
実生は難しいと聞くが、無事発芽するだろうか。
10月9日
ハエトリソウは、花茎の役目はもう終わり。
捕虫葉も、急激に枯れてきた。
モウセンゴケも、これが最後の花かもしれない。
捕虫毛は禍々しいほどに、大量の粘液を分泌中。
ウツボカズラは、この3つ目の捕虫袋がもっとも大型。
日光で消化液が透ける。
なんと5つ目の捕虫袋も。
2014年10月後半『捕虫袋豊作』 ※元記事はこちら
10月17日
栽培開始から126日目。
ハエトリソウとモウセンゴケは、昼は玄関の風除室内・夜は玄関内に置いている。
花茎が完全に枯れた。
捕虫葉も、枯れたものが目立ってきた。
若い捕虫葉は元気。
モウセンゴケも……
花期は終了したようだ。
ウツボカズラは寒さに弱いため、引き続き自室に置いている。
4つ目の捕虫袋が、もうすぐ蓋を開きそう。
透けてみえる消化液は、外から入り込んだ水ではなく、内側から分泌されたものだ。
10月24日
ハエトリソウとモウセンゴケを、2階の空き部屋へと移動。
ウツボカズラは、スッポンモドキの水槽(水中ヒーター使用。ビニールで囲ってミニ温室に設えてある)の側に置いた。
そんななか、4つ目の捕虫袋の蓋を開いた。
室内栽培のうえ、冬間近なので虫はいないが。
2014年11月『枯れつつも元気』 ※元記事はこちら
11月1日
栽培開始から141日目。
ハエトリソウは、葉を枯らしつつも元気そう。
若い捕虫葉も、とても元気。
モウセンゴケとハエトリソウは、引き続きプラケース内で腰水に浸している。
ウツボカズラは……
古い捕虫袋が縮みつつある。
それでも、5つ目の捕虫袋が育ってきている。
11月9日
ウツボカズラの、新しい葉になるニョロニョロが……
焦げ付いたように枯れてきた。
11月23日
10日前、ついに初雪が降った。
いまは溶けたが、根雪も遠くないだろう。
ハエトリソウは、古い捕虫葉が枯れた。
分裂した若い捕虫葉は、元気いっぱい。
そろそろ冬だが、このまま育ってくれるだろうか。
モウセンゴケは、すべての花茎が枯れたので……
少し蕾を砕いてみた。
だが、種は結んでいなそうだ。
ウツボカズラは、5つ目の捕虫袋が蓋を開きそう。
6つ目は、さすがに無理か。
冷やさないよう、常に愛亀「スッポンモドキ」の水槽前に置いている。
日光は当てられないが、やむを得ないだろう。
11月25日
こちらは、ハエトリソウの種を蒔いたミニプラ鉢。
1つの鉢に1つずつ、小さな芽が育ち始めた。
もう冬だが、これから大きくなるのだろうか。
2014年12月『冬期栽培開始』 ※元記事はこちら
12月1日
栽培開始から171日目。
ミニプラ鉢に蒔いたハエトリソウは、ほとんど成長していない。
もう冬なので、このまま枯れないか心配。
モウセンゴケとハエトリソウは、寒いので腰水をやめ直接、水苔に水やりしている。
捕虫毛は、ついに粘液の分泌を止めた。
ウツボカズラは昨日……
5つ目の捕虫袋が、新たに蓋を開いた。
購入時に付いていたものに似て、色が薄い。簡易温室内に置いているため、日に当たっていないせいか。
中心のニョロニョロは、先端が完全に枯れた。
もう新たな葉は育たないのだろうか。
12月23日
外は大雪で埋もれた。
ハエトリソウは、暖房のない部屋で越冬中。カクタス長田・大彰園の株ともに、ほぼ変化なし。
若い捕虫葉も、育ちはしないが枯れもしない。
ミニプラ鉢に蒔いたハエトリソウは、1つが双葉状に割れた。
とはいえ、あまりにも成長が遅い。
モウセンゴケは、徐々に枯れている。
ウツボカズラは……
古い捕虫袋から蓋が枯れ、袋は縮んでいる。
12月30日
モウセンゴケの、4本の花茎を切り取った。
砕いてみたが……
ちゃんとした種は見当たらなかった。写真の黒い欠片が種っぽいが、あまり厚みがない。
自家受粉でいいらしいが、手をかけなかったのは失敗だったか。
一応、ハエトリソウのミニプラ鉢に蒔いておく。
初年度の「食虫植物(ハエトリソウ・モウセンゴケ・ウツボカズラ)」栽培 まとめ
これが初栽培の食虫植物。
そのユニークな生態や姿形が魅力的で、楽しく栽培できている。
好奇心を刺激する。
食虫植物は、生物を育てているというプレッシャーが、普通の植物より強いように思う。
私にとっては、ペットを飼っている感覚に近い。
なにか意思のようなものを感じるので。
以下、これまでの経験や知識の書き抜き。
食虫植物は全般的に、水を切らさない・乾燥させず湿度も高めに・多めに日に当てる・水苔やピートモスなどの酸性土に植える・肥料は不要・エサは不要、といった管理が基本らしい。
ハエトリソウとモウセンゴケは、育て方が似ている。
浅めの「腰水(こしみず。受け皿に水を張り、鉢の底面を浸す管理方法))」で管理する。
極端な暑さ寒さでなければ、さほど気を遣わず栽培できる。
真夏は半日陰に置き、真冬は凍らせず・暖めすぎずで「休眠」させるとよい。
追肥は ほぼ不要。
ウツボカズラは、真冬でも10℃(できれば15℃)を下回らないよう管理する(品種による)。
よく日に当て、真夏も葉焼けしない程度に当てる。
霧吹きで葉水を与えるなどして、できるだけ高湿度を保つ。
夏は水を切らさず、冬は土が乾いてから水やり(霧吹きは常時)。
捕虫袋を育てる場合は、通常量を2倍に薄めた液肥を、月1くらいで与えてもいい。
当サイトでは、ウツボカズラのボットンピッチャーを「捕虫袋」と呼称している。
ハエトリソウのパックンチョは「捕虫葉」・モウセンゴケのモシャモシャは「捕虫毛」と呼称。
どれも正式名は不明。
以下は3種共通。
用土は、水苔がお薦め。
ただし、1,2年に1度は総入れ替えする必要がある。
安いものは劣化しやすいので注意。
肥料は あまり必要ない。
エサとして虫を与える必要もない。
かえって弱る場合がある。
食虫による養分摂取は、あくまでも補助的なもの。
「家の小バエを駆除したい」などの実用目的では、役立たないと思っていい。
花を咲かせず摘蕾・摘花したほうが、株はよく育つ。
種子は長期保存ができない。
ハエトリソウの場合、「実生(みしょう。種から生長すること。もしくは種から育てた植物)」を成株にするには、何年もかかるらしい。
増やすなら株分けするのが簡単。
好光性種子なので、種蒔き時は埋めず、水苔表面に ばら蒔く。
あとは腰水や霧吹きで水やりする。
発芽までは、数週間~数ヶ月は必要。
越冬しないと発芽しにくいとの情報あり。
それぞれの情報源により、やや内容が異なるようだ。
私も栽培初心者なので、これから時間をかけて経験を蓄積したい。
こんなところか。
では引き続き、2015年度版『「食虫植物(ハエトリソウ・モウセンゴケ・ウツボカズラ)」テキトー栽培記(その12|2015年1月〜2月)』をご覧ください。
まだまだ栽培は終わりません。
またそのうち、新しい品種も加えるつもりです。
胸が躍りますね。
ここまで目を通したアナタも、食虫植物ファンなのでしょう?
お仲間ですね(笑)。
なら一緒に、大手を振って食虫植物を愛でましょう! たとえ変人扱いされようとも!